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これくしょんブック  作者: シャオえる


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80/85

いつかはみんな、きっとそう

「本棚を無くすってそんな事出来るわけ……」

「無理に決まっている。だから、ずっとあの本は誰も書ききれなかったんだ……」

 ヒカリの願いを聞いたユイが驚きカグヤに話をしていると、カグヤは一歩ずつゆっくりと部屋の中へ入っていく

「だが、今その願いが叶いそうになっている……」



「アカリちゃん!しっかりして!」

 意識が遠退いていくアカリに、体を揺すり起こそうとするルカ。だが、更にアカリの体が熱くなっているため、手を離しては触ってを繰り返している

「無理……苦しい……」

「アカリ!」

 二人の様子に、部屋の入り口で見守っていたヒナタがアカリに駆け寄る

「お母さん……来てくれたの?大丈夫だから、泣かないで……」

 笑ってごまかすアカリに、その熱い体を気にもせず、ヒナタはぎゅっと強く抱きしめると、嬉しさで微笑むアカリ。でも、すぐに、目を閉じ動かなくなった



「みなさん!新書の本棚が消えてしまいました!ここも危険です!早く避難を!」

 ルカとヒナタがアカリを起こそうとしていると、本棚の管理人が慌てた様子で、部屋の入り口にいたルナ達に話しかける。ヒカリの部屋以外も見回してみると、少しずつ本が減っていくのに気づいた

「そんな……ヒナタ、止める方法はないの?」

 ルナが叫び、ヒナタに問いかけても、ヒナタは小さく首を横に振る

「無理よ。力が強すぎる……私たちでは……」



「あーあ。やっぱり来たのね。ヒカリ」

 突然、クスクスと笑い話す声が聞こえてきた。その声に驚き、ルカ達が声のする方に振り向くと、ヒカリを見つけて笑うスズの姿があった

「スズ!会いたかった!」

 本の姿だったヒカリ。慌てて姿を変えてスズに抱きつく

「私もよ、ヒカリ。ほんと、姿も願いも変わらないね」

 泣いているヒカリに微笑み、ぎゅっと抱きしめながら話すスズに、ヒカリが何度も頷いて返事をする

「もちろんよ。こんな無意味で悲しい思いをする本棚消すためなら私は……」

「どうして、そう思うの?アカリちゃんやルカちゃんと、毎日楽しそうに過ごしていたじゃない」

「でも、いつかは……」

 アカリ達を見て、泣き顔から悲しい顔になるヒカリ。スズもこちらを見て不安そうに見ているルカに気づいて、小さく頭を下げ挨拶をして、ふふっと微笑むと、ヒカリにまた話しかける

「いつかはみんな居なくなっちゃう?本当に?」

 スズの言葉に小さく頷いたヒカリ。それを見たスズが優しくヒカリを抱きしめた

「大丈夫よ。ずっと一緒にいるから、悲しい顔しないで」



「モナカ!消えないで!」

 二人が話している間にも、モナカの体が少しずつ消えて、アカリも話す力もなく、ぐったりとした様子でヒナタに抱かれている。ユイもリリを抱いて、モナカの様子を不安そうに見ている

「リリ、モナカ……アカリ……。でも、私の願いは変えない。本が……本棚さえなければ、もう二度と会えない悲しみなんて……」

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