未来のための第一歩
「アカリちゃん!ヒカリ!」
大急ぎでヒカリの本棚にやって来たルカ。息を切らして、ヒカリとアカリに向かって叫ぶ。ルナやヒナタも一緒に駆けつけ、本棚の部屋の入り口で二人の様子を見て入れずにいた
「ルカちゃん……来るの遅かったね。どこ寄り道していたの?」
クスッと笑ってルカに声をかけるヒカリ。地面に座りうつむいて苦しそうなアカリに、慌てて駆け寄っていく
「ヒカリ……何をしているの?」
アカリの心配する様子もなく、二人から離れて見ているヒカリ。ルカの問いかけに、クスッと不敵に笑う
「何って……アカリが願いを叶えてくれそうだから、ここにいるの」
「でも、まだページは残ってたはずじゃ……」
「ルカちゃん……」
二人の話し声が聞こえて、ゆっくりと起きるアカリ。顔をあげて、心配そうな顔をしているルカの見て、にっこりと微笑む
「アカリちゃん、大丈夫?」
「……うん。私は大丈夫。けど……」
本棚の前にふわりと浮いているヒカリを見る。苦しそうなアカリの姿を見ても、ヒカリは近寄ることなく、
「アカリ、私の願い叶えてくれる?」
「私が叶えられるのなら……」
小さく頷くアカリ。だが、その言葉を否定するようにルカが強く抱きしめる
「それじゃ、書き続けましょう……私の願いのために」
本の姿になって、ページをめくりはじめたヒカリ。昨日よりも、ページが進み書かれていた。ゆっくりと一文字ずつ書かれていく。少しずつ書かれていく度に、胸を押さえ苦しそうなヒカリの表情をするアカリ。息も絶え絶えで、意識が遠退いていく。ルカがアカリの体を揺すり起こそうとしていると、バタバタとたくさんの人達の足元が部屋に近づいてくる
「ヒナタさん!ルナさん!本棚の崩壊で怪我人が多数出ています!急いで救護に……」
「でも……」
本棚の管理人達が、二人に声をかけてきた。アカリ達がいる本棚の建物の外では、急な出来事に戸惑い逃げ惑う人達の声が聞こえている
「あ、熱い……体が……」
か細い声で呟くアカリ。少しずつ熱がこもり熱くなっていくアカリの体に、その熱さで体に触れられないルカ。避難の誘導の手伝いをしていて遅れて来たユイ達が、アカリ達の状況を見て、ぼう然としている
「ヒカリ!もうやめなさい!願いは叶えられないわ!アカリちゃんの体が持たない!」
リリがヒカリに向かって叫ぶ。リリ達が来たことに気づいたヒカリが、またクスッと笑った
「大丈夫よ。スズもそう言っていたもの……。アカリの魔力とスズの願いで、きっと大丈夫」




