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これくしょんブック  作者: シャオえる


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66/85

優しい微笑みに、秘密を聞いて

「美味しい!焼きたては一段と美味しいねぇ」

 焼きたての二つ目のアップルパイを頬張るユイ。さっき食べたばかりのアカリ達も一緒に食べている

「カグヤ!そのちょっと大きいのはルカちゃんにあげるんだから取るな!」

 おかわりを取ろうとしていたカグヤに、ユイが声をあげ止めた。ユイに注意されて、そーっと戻すカグヤにルカがクスッと笑う

「カグヤさんにも気に入ってもらって良かったです」


「ところで、リリちゃんと、モナカちゃんは?」

「いるよ。今、食べれなくて怒ってるけど」

 二人が普通に話している内容に驚くアカリ。隣で一緒に驚いた顔しているルカと目を見合わせた

「お母さん、どうしてリリさんとモナカさんを知ってるの?」


 アカリとルカが戸惑っていると、ミナモの鞄に隠れていたリリとモナカが、アカリ達の前に出てきて、うーんと背伸びをした

「やっと出られた!おやつ食べても良い?」

 ルカの前にあったアップルパイの所に駆け寄るリリとモナカ。二人の勢いに慌ててルカが、アップルパイをお皿に移し替える

「えっ?ええ、どうぞ。お口に合うでしょうか?」

 と、話していると、カグヤの側で隠れていたアンズも現れて、ルカのもとへと駆け寄ってく

「ルカちゃん、私のは?」

「あっ、はい。アンズさんのもありますよ」

 アンズにアップルパイを乗せたお皿を渡すと、リリとモナカと一緒に食べはじめたアンズ。三人の楽しそうな様子をぼう然と見ているアカリとルカ。すると、リリ達の様子を微笑み見ていたヒナタが、アカリをぎゅっと抱きしめた


「……アカリの本も一緒に食べましょ」

 ヒナタが話した言葉に騒がしかったリビングが一瞬で静かになった。二人の様子を見守るルカ達。しばらく抱きしめていたヒナタがアカリから離れると、今度は頭を撫でて微笑んだ

「後で一人食べるより、みんなで食べた方が、もっと美味しくなるでしょ?」

 と優しく微笑むヒナタを不安そうに見ているアカリ。しばらく二人見つめあっているとアカリが小さく頷いた

「うん……。呼んでくるね」

「アカリちゃん、待って。一緒に行くよ」

 一人リビングから出ていくアカリを慌てて追いかけるルカ。声を聞いてリビングの入り口で立ち止まるアカリ。そして、二人手を繋いで、アカリの部屋にいるヒカリを呼びに行った


「ねぇ、ヒナタ、ルナ。本当にいいの?」

 二人の様子を見て、ユラが二人に心配そうに聞く。パタパタと二人が階段を上り部屋に向かう足音を聞いて、ヒナタが小さく頷いた

「私はね。ミツキも納得してたし。いつかはこうなるかもとは思ってたから。でも、ルナは大丈夫?」

 ヒナタの問いかけに否定するように、首を小さく横に振るルナ。ルカが持つはずだった本達を出すと、パラパラとめくり終えると、パタンと閉じると本を強く抱きしめた

「もう少し……ルカに話すのは、止めましょう。あの子がもし、本が最後まで書けないかも……と思うと、無理だわ。もう少し、様子を見ましょ」

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