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これくしょんブック  作者: シャオえる


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秘密の本と、可愛い出会い

「夕ご飯、なんにしよっかなー」

 文房具屋に寄ったの帰り道、夕ご飯の買い物のためスーパーに行く途中のアカリ達。まだ決めていない献立に、どうしようかと悩んでいた

「あっ、そうだっ!ハンバーグ作ってもらおうかな?」

「いいですね。美味しそう」

「ねー。お兄ちゃんが作るハンバーグ美味しい……あれ?」

 話している途中、何かを見つけて立ち止まったアカリ。その視線の先は、小さな公園でベンチに座っている人影に向いていた


「あれ、カグヤさんだ……」

「本当だ。話しかける?」

 ルカもカグヤがいるのに気づいて、二人話しかけるべきかと、ちょっと悩みはじめだした

「うーん……でもカグヤさんって、ちょーっとだけ苦手かも……ってヒカリ!」

 アカリの言葉も無視して勝手にカグヤに近寄ってくヒカリ。慌ててアカリとルカが後を追っていく


「カグヤ、何してるの?」

 後ろから名前を呼ばれて振り返るカグヤ。ヒカリの後ろには慌てふためくアカリがいた

「ちょっとヒカリ!」

 ヒカリをつかんで、カグヤにペコッと頭を下げるアカリ。少し遅れてルカも隣に来て、アカリと一緒に頭を下げた

「ごめんなさい、カグヤさん。邪魔しちゃって……」

「いや……」

 とアカリに返事しながら、パタンと本を閉じたカグヤ。見たことのないカグヤの本に、アカリが興味を示した


「本、読んでたんですね……。そういえば、カグヤさんも本を持ってるんですよね?」

 アカリの言葉で、一瞬ピクッと反応したカグヤ。それに気づいていないアカリとルカが、ベンチに座るカグヤの前で本の話で盛り上がる

「カグヤさんの本も、ヒカリみたいに変わるんですか?」

「あっ、そういえば、見たことないね」

「ユイさんは、ウサギさんでしょ?ミナモ君はワンちゃんで……。リリさんとモナカさん可愛いよね」

「そうだね。ヒカリも可愛いけど」

「あら、私が可愛いのは、当たり前だもの」


 楽しそうに話す三人を黙って聞いていたカグヤ。持っていた本を隠すように、ベンチの上に置こうとした時、それを拒否するようにふわりと浮く本。意図しない本の動きにカグヤが急に慌て出す

「おいっ!ちょっと待て……!」

 止めるカグヤの声も聞かず、カグヤの目の前で姿を変えていく本。そして、カグヤの膝の上に現れたのは、一匹の子猫。本が変わるのを見られてしまったカグヤが、はぁ。と、とても深いため息ついた


「可愛い!三毛猫ですか?」

「本当だ!本がネコにってヒカリみたいだね」

「あらそう?でも、私の方が可愛いわね」

 意外なカグヤの本の変化に騒ぐアカリ達。すると、キッと顔をあげアカリを見た子猫が、ふわりと浮いて近寄ってきた


「なんでそんな本と似ているの!私はその本より偉いの!」

 と近寄るなり、アカリとルカに対して叫びだした。突然の大声に、驚き後ずさりする二人と鞄に隠れたヒカリ。そしてすぐに怒りの矛先は、持ち主のカグヤに向いた

「だいたい、カグヤもさっさと私を紹介すればいいのに!やっと挨拶が出来るじゃないの!」


 あれこれと大声で騒いでいる子猫の文句を、無言で聞いているカグヤ。その様子を戸惑いながら見ているアカリとルカは、お互い目を合わせ、かなり困っている

「あ、あのう……」

 恐る恐る声をかけたアカリ。その声で騒いでいた子猫がコホンと咳払いをすると、ふわりと浮いてカグヤの膝の上に座り直すと、アカリ達に向かってペコリと挨拶をした

「あら、失礼。私はカグヤの本。アンズっていうの。よろしくね」

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