知っていること、知らないふり
「……アカリちゃん」
一人、アカリが眠るユイの部屋に来たルカ。起きる様子のないアカリを見て不安が一段と強くなって、うつ向きベットの側に座って、アカリが目が覚めるのを待っていた
「……ルカちゃん?どうしたの?」
急に聞こえた声に驚いて顔をあげると、アカリがルカを見て微笑んでいた
「アカリちゃん!起きたの?良かった」
元気そうなアカリに、胸をなで下ろすルカ。だが、微笑んでいたはずのアカリが、じーっとルカを見ている。すると突然アカリがルカに勢いよく抱きついた
「ルカちゃん……ゴメンね」
「どうしたの?アカリちゃん、怖い夢でも見たの?」
震える声でルカに話すアカリ。ビックリしつつもクスッと笑ってアカリの背中をさするルカ。ルカの質問に、アカリが首を横に小さく振って否定すると、少し離れて微笑むルカの顔を見て、深く深呼吸をした
「違うの……あのね……」
と言った後、うつ向いてしまったアカリ。不安を拭おうとルカがアカリのぎゅっと手をつかんで、話すのを待っている
「……ゴメンね。ずっと一緒にいたんだね」
「えっ?なんのこと?」
アカリの言葉に疑問で返すルカ。今度はアカリがルカの手を取りぎゅっと強くつかんだ
「ヒカリの部屋にいた時、ルカちゃん、一人でいたでしょ?ユイさんやリリさん達が動かなくなっても、側にいたでしょ?ルカちゃんは動いて待っていたよね」
「……気づいてたの?」
ルカの言葉に小さく頷くアカリ。そっとルカの手を離すと目をそらして、小さく呟く
「……うん。ルカちゃんの声が聞こえたの。だから、私……」
「ルカが……」
二人の話を聞き耳たてて聞いていたユイ達。急いでリビングに戻って、なぜかみんなヒソヒソと小声で話をする
「私達ですらアカリの魔術に入れないのに、なぜ?」
「さあな?二人の思いが強いのか、それとも……」
と、話していたカグヤが、ノドカとミツキ用に別に箱詰めしていたプチシューを持ってリビングを出ていく
「カグヤ、それどうするの?」
慌てて後を追うユイ。ドタバタとうるさいユイ達を無視して玄関に着くと、ちょっと振り返りユイに向かって話しかける
「ヒナタさんの所に行くついでに持っていく。あの子には適当に伝えておいてくれ」
「何だかんだで、ルカちゃんのお菓子、気に入ってたのね」
パタンと玄関の扉が閉まると、クスッと笑って話すリリ。廊下で見ていたミナモとモナカがリビングに戻ってく。その後を、ヒカリやリリも追ってリビングに戻っているなか、一人廊下から動かないユイ
「ねえ、リリ……」
名前を呼ばれて振り返るリリ。声に気づいてミナモ達も振り返る。呼んだきり動きも話もしないユイを心配して、リリがユイの肩に乗る。それでも、何の反応もしないユイに頬を触ってリリは心配そうな顔。しばらくすると、やっとユイがリリに話をはじめた
「……リリは、ヒカリの願い知ってるの?」




