表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これくしょんブック  作者: シャオえる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/85

ずっと一緒にいると決めたから

「ここがヒカリの本棚……」

 アカリが部屋の中へと入ると、ルカ達も後についで部屋の中へと入っていく

「何もないね……」

 壁一面に本棚が埋め尽くされていた。だが、何にもない空っぽの本棚には、あちらこちらで埃がたまっている

「一度も最後まで書かれたことがないからね。仕方ないよ」

「でも、書いていた人はいたんですよね?それは……」

「一緒に消えていったわ。そんなもんよ」

 ルカの疑問をあっさり答えるリリ。それぞれ思い思いにヒカリの部屋の中を見回っていく



「ここにヒカリはずっといたの……」

 アカリが見つけたのは、部屋の真ん中にある大きな机。埃が溜まった机に、本があったであろう所には埃はなく、本の形をして綺麗に残っている

「久しぶりな気がするわね。まだ日はあまり過ぎていないのに……」

 そのヒカリが寝ていたであろう場所にヒカリが立つと、突然ふわりと浮いて本に変わったヒカリ。そのまま降りたヒカリは、埃のないその場所に、埃も付かず本の形として綺麗に降りた

「アカリちゃん?どうしたの?」

 ヒカリを見つめたまま動かないアカリに気づいたルカが、側に駆け寄り声をかける。返事をしないアカリに、慌ててユイ達を助けを求めた

「ユイさん!ミナモ君!」

 だが、本棚を指差したまま動かない二人。そして、二人の間にいたリリとモナカも、険しい顔をしたまま止まっていた

「リリさんも……モナカさんも……」

 一人残され、どうしようかとユイ達の側に近寄り、あたふたするルカ。その時、聞き覚えのある声が部屋の中に響いた


「曾祖母も、時間の魔法が得意だと聞いていた」

 聞こえてきた声に驚いて振り返ると、機嫌の悪そうな顔のカグヤが部屋の中に入ってきた

「カグヤさん……あの……」

 ルカの声を無視してアカリの側まで来ると、そっと頬を触った。まばたきもせず無反応のアカリ。その様子にカグヤも無表情でアカリを見つめる

「何を見ているかは分からんが、これ以上深入りすると危険だ」

「危険……。それじゃあアカリちゃんを助けなきゃ……!」

 カグヤの言葉を聞いて叫ぶルカ。その時、ガラガラと建物が崩れる音と共に、ユイ達が再び動き出した



「あれ?カグヤ、いつからいたの?」

 一緒に来ていないはずのカグヤがいて不思議そうに聞くユイ。

「もしかして、アカリが……」

 リリがアカリの方を向いた時、本から姿を変えてふわりと浮いて部屋の奥へと向かってくヒカリ

「ヒカリ!アカリに何かしたの?」

「いいえ、私は何も……」

 ヒカリが小声で返事をした時、バタンッと大きな音が部屋に響いた

「アカリちゃん!」

 床に倒れているアカリに慌てて駆け寄るルカ。ユイやリリも駆け寄って、アカリの体の状態の確認をはじめる


「僕、救護を呼んでくる!」

 ミナモとモナカが慌てて部屋を出ようとした時、カグヤがガシッと腕を強くつかんで、ミナモの足を止めた

「……ページは新しく書いていないのはずだ。それでも倒れたというのなら、もう書き続けるのは無理だろう。早々に離れるべきだな」

 とアカリを見ながら話すカグヤ。その言葉でみんな黙ってしまった

「……いえ、私はヒカリとずっと一緒にいます」

 とカグヤに反論しながら、ゆっくりと体を起こすアカリ。支えるルカの心配をよそに、アカリは立ち上がるとすぐヒカリの所へ歩いていく

「アカリ……でも……」

 その言葉に嬉しくてもアカリから目を背けるヒカリ。ゆっくりと歩いて、ヒカリの所に着いたアカリが手を広げてヒカリを呼ぶ

「……ヒカリ、帰ってきて」

 と言われても動かないヒカリ。そんな二人の様子をルカ達は無言で見守っている


「無理よ……やっぱり私には……」

「大丈夫だよ。ヒカリ、帰ってきて。ねっ」

 手を広げてずっと待っているアカリの姿を見て、ゆっくりと戻っていく。側に来たヒカリをアカリは優しい笑顔で迎えて、両手で優しくぎゅっと抱きしめ

「ヒカリの願い、私が叶えます。スズさんの願いでもあるから」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ