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思い出話と紅茶の味

「そう……アカリに本が……」

 カチャンとティーカップをテーブルに置く音が聞こえて、女性の嬉しそうな声も聞こえる

「素敵ね。どんな本になるのかしら」

 ふふっと笑い紅茶を一口飲んで、また笑う。女性の向かいに座っている女の人が、その微笑む様子を見ながら、同じく紅茶を一口飲んで、ふぅ。と一息つく

「たしか、ミツキ君には届かなかったのよね」

 話を聞く声と、カチャンとティーカップをテーブルに置く音が響く

「そうね。あの子は、とても強くて優しすぎるから、かもね」

 話ながらクスクスと笑って面影を思い出している様子。そう笑っている間に、紅茶を飲み終えた話相手のその人に、シーッと自身の口を人差し指で押さえて、ヒソヒソと話しかける


「でも内緒の話、本当はあの子にも本が届いていたの」

「えっ?受け取らなかったの?」

 知らなかった話に驚いていると、カチャンとまた紅茶を飲んで、ふぅ。と一息つく

「いいえ。もっと素敵な願いと魔法で、本を……」

 興味津々で聞いている姿に、話をピタリと止める。隣と同じく空になったティーカップを見て、紅茶をいれるために隣のテーブルに置いていたティーポットへと歩いてく


「ちょっと喋りすぎたわね……ミツキの話は、また今度」

 空になったティーカップに紅茶を注ぎながらそう話すと、続きが聞けず、ちょっと不機嫌になって体を横を向けて、注いでもらった紅茶を一口飲む。そんな姿を微笑みながら、ティーポットを隣のテーブルに戻し、カタンと椅子の音をたて、向かいに座って一緒に紅茶を飲む。ちょっと沈黙が流れて、お互い側にあるケーキに手をつけず、二人のんびりと過ごしてく


「……それで、アカリちゃん、助けてあげるの?」

「いいえ。あの子は、自分の力で強くなる。私なんかよりずっと強い力で……」

「ふーん……。でも、あの子の本については調べた方が良いよ」

「あら、そうなの?教えてくれてありがとう。調べてみるわ」


「さて……そろそろ行かなきゃ。素敵なお話、ありがとう」

 その後も、二人の会話も大分進んで、近くにいる鳥の鳴き声が聞こえると、カタンと席を立った

「あらあら、旦那様のお出迎えかしら?」

 急ぎ早しな足取りを見て笑って聞いても、クスッと笑い否定しないで、パタパタと足音たてて離れていく


「……次に会う時、さっきの話の続き聞かせてよ」

 後ろから話しかけてくる声に、ちょっと振り向くと、ウェーブのかかった長い髪がヒラリと舞って、クスッと微笑む

「もちろん。次、会う時を楽しみにしているわ」

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