戻らぬ夢の続き
「時間の魔法をアカリが?そんな無茶な!」
ユイの家で、カグヤから学校で起こった出来事を聞き、怒り叫ぶリリ。一緒にいたミナモとモナカが、リリの怒り具合も相まって、話を不安そうに聞いている
「でも、本当にアカリが書いていたの?」
話をしている間、のんきにジュースを飲んでいたユイがカグヤに聞く
「ああ。そのせいで、半分ほど書き終えていたがな」
「あの本を半分も……」
カグヤの話に呆れるリリ。そんなリリをユイがぎゅっと抱きしめて、気持ちを落ち着かせようとする。頭も撫でられて、ほんの少しリリの気持ちが落ち着いてきたところで、ジュースのおかわりを飲んでいたカグヤに、ユイが話の続きを聞いた
「じゃあ、アカリはどこに?」
「家にいるだろう。ルナさんの娘と一緒に……」
「アカリちゃん、眠くない?どこか痛い?」
アカリの部屋では、本を書いても起き続けているアカリを心配しているルカと、ちょっとうつ向き気味のアカリがいた
「ううん……私は大丈夫。けど……」
目線をあげるアカリ。その視線の先には、本になって戻らないヒカリが机に置かれていた
「ヒカリ、本になって戻らないね」
ルカが話していると立ち上がりヒカリの前に立つと、少し悲しげな表情になったアカリ
「ヒカリ……」
名前を呼んでも、なにも起きず目覚めないヒカリ。そっと本を手に取ると、ぎゅっと抱きしめ動かないアカリ。そんなアカリを見ていたルカが、ふと学校で言っていたことを思い出す
「そういえば、アカリちゃん、夢とか言っていったけど……何かあったの?」
「うん。とても不思議で……悲しい夢……見たの」
とルカに話ながら、抱きしめていたヒカリを見つめるアカリ。見た夢を思い出して、ヒカリを更に強くぎゅっと抱きしめる
「私の願い……ヒカリの願いも叶えてあげたい。でも、私に出来るかな?」
「無理よ。今すぐ離れなさい」
どこからともなく聞こえてきた声。その声のする窓を見ると、ユイやミナモ達が二人を見ていた
「リリさん……モナカさんも……」
ルカが窓を開け、部屋にいれると一目散にアカリのもとへと駆け寄るリリ。アカリが持つ本のままのヒカリを見て、深くため息をして、アカリに真剣な表情で話しかける
「悲しい思いをするのは、あなたじゃなく、ルカちゃんやお父さん達よ。嫌だと思うなら、今すぐにでも、本棚の管理人立ち会いのもと、ヒカリから離れるべきね」




