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これくしょんブック  作者: シャオえる


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38/85

行く手を阻む微笑み

「それじゃあ行ってきます」

 明朝、今日もルカの家へ行くため、玄関先で声をかけるアカリとルカ。ノドカも玄関の外まで出てきて、二人の見送りをする

「お昼は、ルカちゃんのお家で食べるんだよね?」

「うん。二人で作るよ。オムライス作ろうかなって。ねっ」

 と話ながら、アカリがルカに微笑むと、ルカも頷いて微笑む

「そっか。火には気をつけるんだよ」

 二人の元気そうな様子にノドカも微笑み、二人仲良くルカの家へ向かってく。そんな二人の後ろ姿を見届けたあとも、ノドカは家の中に戻ることなく、空を見上げていた



「ねぇ、ルカちゃん。おやつどうする?」

「今日は、プリンにしようかなって思っているけど……」

 ノドカの様子に気づくことなく歩き続けている二人。アカリの質問に答えたルカの言葉を聞いて、鞄に隠れていたヒカリが出てきて、ちょこんとアカリの肩に乗る

「私、固めのプリンが良いな!」

「あら、私は柔らかめが好きよ」

 三人楽しく話ながら歩いている姿を、不穏な影がアカリ達のすぐそばで見ていた



「……いた。あの本」

 アカリの家から、ほんの少し離れた空の上から、三人の姿を見てポツリと呟く人影。アカリ達を後を追おうとした時、グッと何かに足を止められた

「ちょっとすみません。アカリに何かご用でしようか」

 ニコニコと微笑み、右手には本を広げ声をかけるノドカ。足元を見ると、木の枝が足に絡まり歩を止めていた

「その本には用はないが……」

「僕はあなたに用があるんです。ちょっと話しませんか?」

 ノドカが持つ本を見ながら不機嫌気味に答えると、ニコニコと微笑み話し返すノドカ。そうこう話をしている間にアカリ達を見失ってしまい、ノドカを睨みつける

「そう睨まないでよ。カグヤ君」

 

「覚えてなくても仕方ないか。最期に会った時は、とても小さかったから」

 と言うと、カグヤの行く手を阻めていた木の枝を消し、無言でノドカの話を聞くカグヤに向かってまた声をかける


「あの本は、アカリのペースで書いてほしいんだ。だから、あまり邪魔しないでもらえると、助かるんだけど……」

 話を聞きながら、ノドカの方を振り向くカグヤ。機嫌の悪さを隠さずに、少しずつノドカに近寄っていく

「邪魔をしているのは、そっちだが……」

「うーん。そうかなぁ……」

 ニコニコと変わらない表情のノドカに、更に機嫌が悪くなってく

「……あの本を潰すなら、私が先だ」

 ポンッと本を出して、ノドカの表情が見えるほどの距離まで近寄ってく。カグヤの行動に、ノドカがちょっと困った表情をして、またすぐニコニコと笑う

「困ったなぁ……仕方ないか。お手柔らかにお願いしますよ」

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