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これくしょんブック  作者: シャオえる


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36/85

あなたを思うからこそ

「やっぱり美味しい!誰から習ったの?」

 結局、片付けは続かず、みんなの願いで大急ぎでルカが作ったパンケーキ。ふわふわで甘いおやつに、リリとモナカとヒカリで、争奪戦が起こっている

「特に誰からも……お母さんに喜んでほしくて作り続けていたら、いつの間にか得意になって……皆さんにも喜んでもらえて嬉しいです」

 隣で騒がしい三人を気にせず、会話とおやつを楽しむアカリ達。片付けした時間よりも、おやつの時間が長くなっていく

「明日も引っ越しの準備するの?」

 ミナモがルカに話しかけると、ゆっくりとパンケーキを食べていた手を止めてた

「うん。アカリちゃんも学校休んでもらって……」

「アカリも?」

 今度はユイがアカリに話しかけると、ちょっと苦笑いで返事をする

「うん。お父さんが、学校で体調悪くなっても大変だからって。ゆっくり手伝いなさいって言われちゃった」

 と話すアカリの話を聞いて、ユイもパンケーキを食べていた手を止める


「アカリ……あのね」

 急にユイの声が低く、真剣な顔になってアカリを見る。その表情に、アカリだけでなく騒がしかったヒカリ達もユイを見る

「ヒカリを手放す気はない?」


「本当は、アカリが本が書けなければ、奪い取るつもりだったの。本当は、書く前にも奪えたんだけど……」

 と言うと、ヒカリを見るユイ。その視線に気づいたヒカリがふふっと不敵に微笑む

「本は書けば書くほど、魔力がいる。アカリにも魔力はもちろんあるけれど、書き続けるには足りない。何かあった時のため、見守っていたけど、これ以上は……」

 今度はリリがアカリに話をすると、騒がしかったリビングがみんな黙ってしまって静かになった


「もし手放したら、ヒカリはどうなるんですか?」

「また呼ばれるまで、眠り続けるだけよ。明日か何十年か、いつまで眠るかは分からないけれどね」

「そんな……」

 アカリの質問に、パンケーキを食べながら淡々と答えるヒカリ。不穏な雰囲気が部屋に流れてく


「本を書けてしまったから、アカリが離れることを願わなきゃ、ヒカリは離れられない。アカリの体も持たないから、ヒカリと別れて、本のことは忘れてほしいの」

 ユイの話を聞いてうつ向くアカリに寄り添うルカ。そんな二人を横目に、一通り話を終えたユイが、緊張感の糸が切れたのか、残っていたパンケーキを一気に食べ終えると、帰ろうと立ち上がる

「それじゃ明日もまた来るから。おやつもよろしくね」

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