目的はきっと、思っている通り
「美味しい……」
キッチンから甘い紅茶を作って持ってきたルカ。程よい甘さに、眠気も気持ちも落ち着いていく
「良かった。紅茶のおかわり要る?」
一緒に甘い紅茶を飲むルカ。その紅茶の甘い香りに気づいていないのかヒカリはベットで熟睡中。久しぶりに二人だけの、のんびりとした時間が過ぎていく
「ごめんね。ルカちゃん……」
「アカリちゃんこそ大丈夫?ヒカリが来てからずっとバタバタしてるし……」
「私は大丈夫。でも、お父さんとお兄ちゃんにも心配かけてるし」
カタンとコップを置く音が響き、フルーツタルトを食べ始めるアカリ。コップを持ったままその様子を見ていたルカが、急に何かを思い出した顔をした
「そうそう、アカリちゃん。明日なんだけどね……」
「これは、持っていくの?」
「うーん……どうしようかなぁ」
明朝、ルカの家で片付けをしているアカリ達。不慣れな引っ越しの準備に戸惑うアカリと、慣れた様子で片付けてくルカ。ヒカリも軽めの荷物を運んで、お手伝いをしている
「どうせならユイ達にも手伝わせたらいいのに……」
「さすがにご迷惑かけるから……」
予想より多い荷物に、ちょっと疲れ気味のヒカリ。ペタンとリビングにあるソファーにうつ伏せになって、一足先にちょっと休憩。アカリとルカもソファーに座って一緒に休憩。すると、ヒカリがアカリの膝上に座り直していると、ルカはお茶を持ってくるため、ソファーから離れてく
「でも、お菓子作るって言ったら喜んで来るんじゃないの?」
「ルカちゃんのお菓子は本当に美味しいからね」
二人の会話を聞きながら、カチャカチャと音をたてて準備をするルカ。話の内容に嬉しさてはにかみながら、美味しい紅茶が作られていく
「ルカちゃんのお母さんの荷物は、どうするの?」
「それは、アカリちゃんのお母さんが後日送るらしくて……あまり荷物はないけど……」
「えっ?お母さんが?」
ルカの言葉に、驚くアカリ。飲もうとしていた紅茶を溢しそうになる
「近々、帰ってくるって言ってたよ」
「……本当?」
「うん、会うの久しぶりだね」
「だね!楽しみ!」
二人見つめあい微笑んでいるとコンコンと、二人の後ろにあるベランダの方から、窓を叩く音が聞こえてきた
「ユイさん!ミナモ君も!何で?」
「ヒカリから連絡来たの。引っ越しの手伝いするよ」
驚くアカリとルカに答えるユイ。その話を聞いて、ヒカリを見ると、いつの間に取ったのか、アカリの携帯電話を持っていた
「……でも、よくここが分かりましたね」
ヒカリに注意するアカリを見ながら、ユイに話しかけるルカ。その隣では、リリとモナカが、テーブルにお菓子がないのを見てちょっとしょんぼりしている
「そりゃ、ママに聞いたら分かるよー」
ルカの隣に座りながら話すユイ。少し遠慮ぎみにユイの隣にミナモも座る
「でも、お手伝いは……」
「ルカお姉ちゃん!お手伝いします!」
遠慮するルカに勢いよく答えるミナモ。その声を聞いて、リリとモナカが、ルカの膝の上に乗る
「そうそう。お菓子のお礼と、手伝いのお礼のお菓子が目的だからね」
リリがそう話すと、ルカがクスッと笑う。そうこう話をしている間に、アカリとヒカリの話も終わり、うーんとユイが立ち上がり背伸びをする
「さてと、さっさと片付けてお菓子作ってもらわなきゃね」




