無意識の攻防
「ルカちゃん、どこかに隠れてて……」
空にいる人を見ながら、ルカに話すアカリ。睨みあう二人とヒカリ。戸惑うルカはアカリを不安そうに見ている
「で、でも……」
「大丈夫だから。早く安全なところに……」
二人が聞かれないように話していると、空にいる人影がゆっくりと降りて、アカリの頭の少し上で立ち止まる
「君……名前は?」
静かに声が聞こえてきて、顔を上げるアカリ。
「……アカリです。あなたこそ、なんですか?」
アカリが男性に話かけている間に、少しずつ下がって離れ、近くの曲がり角に隠れコソッとアカリを見るルカ。男性が気づいてルカの方に一瞬見るが、その間にポンッと本になったヒカリに、今度は目を向ける
「ほぅ。それが君の本か……」
ぎゅっと胸元で抱きしめている本を見る男性が、腕の中で少し見える表紙を見て驚いた顔をした
「その本……その表紙は……」
そう言うと、体を震わせ高笑いする男性。異様な光景に、アカリが思わず後ずさりする
「懐かしいな!まさか、その本と出会えるとは!」
ヒカリを指差し、笑い続ける男性。急に叫び笑う様子に怯え始める
「あの……ヒカリの知り合いですか?」
「いや、僕は会ったことないよ……でも、その本とは思い入れがあるんだ」
恐る恐る聞くアカリに、今度はテンション高く答える男性。すると、右手に本が現れパラパラとページがめくられていく
「君のその本は、現代……未来永劫、動くべきではない。だから、離れるべきだ」
と話すと、アカリに向けて手を伸ばす。強風が吹いて、吹き飛ばされそうになるアカリ。目が開けれず閉じて飛ばされないように踏ん張っていると、男性がまたパラパラと本をめくり、今度は炎がアカリに向かってく
「アカリちゃん!逃げて!」
ルカの叫ぶ声が聞こえない上に、強風で逃げきれないアカリ。炎が当たりそうになった瞬間、目の前に人影が現れ炎を打ち消した
「だからと言って、可愛い女の子を突然攻撃するって、どうなの?カグヤ。管理人に言いつけるよ」
アカリの前に、現れたのはユイとミナモ。リリとモナカも一緒に、カグヤという男性を睨み付けている。風も止みやっと目を開けると二人がいて驚いているアカリと、二人が来てホッと安堵するルカ。自身の攻撃を塞がれたカグヤは不機嫌そうな顔をしてユイとミナモを見ている
「ユイか……ミナモも何してる?」
「私達はアカリに用があるの。さっさとどっか行って」
「そうだぞ。アカリお姉ちゃんに意地悪するな」
怒った声で話しかける二人にカグヤがフッと笑うと、パタンと本を閉じた
「まあ、今日はこのくらいにしておこうか……」
と言いながら、またアカリに向かって攻撃をしようと、パラパラと本がめくられている。だがその時、リリが後ろから、パラッ……パラッ……という音に気づいて振り返った
「……アカリ?」
リリの声に、ユイとミナモも振り返る。すると、アカリの前に浮かぶ本の状態のヒカリと、目を閉じてアカリがブツブツと呟いて、勢いよくページがめくられていた
「いけない!ページを書きすぎている!アカリを止めて!」




