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これくしょんブック  作者: シャオえる


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28/85

秘密の会話

「これを混ぜればいいの?」

「うん。その間にオーブンを温めて……」

 ユイの家のキッチンで、アカリとルカが仲良く何かを作っている。料理をするよう提案したユイは、すぐそばのリビングから二人の後ろ姿を楽しそうに見ていた



「ヒカリ……アカリから早く離れなさい」

 三人が楽しそうに過ごしている頃、ユイの部屋に残っていたヒカリとリリが、何やら言い争っていた

「いやよ。この世界を気に入っているし、アカリだって強い力があるもの」

 リリの忠告を軽く受け流すヒカリの態度に、リリが少し怒った顔になっていた


「だからと言ってあの子を巻き込むのは止めなさい」

 ヒカリに怒り、話ながらヒカリに近寄ってくリリ。話す言葉が少しずつ大きく苛立った声になっていく

「数十年眠り続けて忘れているの?あなたは……」

「誰も書き終えたことがない。そして、ページが書き進むほど力が足りず書けなくなった人達……。みんな魔力に耐えられず、魔術が暴走し消えてしまった」


「そうよ!あの子はたった数ページ書いただけで眠り続けた。これ以上は……」

「大丈夫よ。日に日に強くなっているのも分かるし」

 リリの心配も、余裕の笑みを浮かべて話すアカリに、グッと手に力を込めて怒りを押さえ込む

「……管理人には、何も言われないの?あなたの事は、知っているんでしょう?」

「今のところは何もね。それに離れようにもお互いが望まなくちゃいけないし」


「アカリの家の結界はアカリが暴走をした時、アカリを……人々を守るために張られている」

「そうね。優しい思いが感じる結界と思うわ」

 淡々とリリの話に答えるヒカリ。怒る気持ちを落ち着かせようと、一旦話を止めてお茶を一口飲んで、ふぅ。と一息ついた


「……ルカちゃん、一緒に住むのよね」

「それは、私の願いじゃないわ」

「ちょっと……!」

「リリ!おまたせ!二人特製のスコーンと、甘々ココア出来たよ」

 二人の話を遮るように、部屋の扉を勢いよく開けて入ってきたユイ。だが、不穏な雰囲気を感じて部屋に入ることなく、入り口で立ち止まる

「リリ……どうした?」

「……なんでもない」

 ユイの後を追うようにココアを持ってきたアカリとルカも、部屋に来てユイの後ろで、部屋に入らないユイに不思議そうな顔をしている。動かないリリに対し、ユイが持っているスコーンを見て、ふわりと近寄ってスコーンを一個、手に取った

「昔話をしていただけよ。そんなことより、その美味しそうなスコーンとやら頂いてみましょ」

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