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第4話

気分次第でこっちともう1つの作品を交代に更新します。

身勝手ですが、付き合っていただければ嬉しいです。

ピピピピピ


目覚め時計の音で目が覚めた。


ハロー…………同じネタはやめよっか。前田剛志です。昨日新しい母ちゃん(同級生)とおばちゃん(チビ)が家にやってきました。改めて思う。なんだこりゃ。深く考えるのが負ける気がしてるのでとりあえずこの人生と言うクソゲーを続けよう。


俺は二階の部屋から一階のリビングに移動した。キッチンには誰かが調理している。恵美だ。


「剛志くん、おはよう」

「おう。その量……もしかしてお弁当も作ってんのか?」

「ええ、せっかくなので」

「そっか。お前には悪ぃが、俺の分は作らなくていいぞ」

「え、もしかして、口に合わなかった……?」

「いや、そうじゃなくて……」

「手料理はだめですよ、お姉ちゃん」


説明に困った俺に制服を着ていたチビが助け舟を出してくれた。


「おはようです」

「ウッス」

「おはよう、びわちゃん。それで、手料理はだめってどういう意味なの?」

「手料理にはどうしても個性が出ます。お姉ちゃんがお弁当の中身をどう誤魔化そうと、気づく人は気づくのです。今の生活を隠したいなら、そのリスクを避ける方がいいということです」

「そうそう、それ」

「でも………」

「今までダチとつるんで学食だったし、俺はその方が楽しいからさ。恵美は親父のお弁当に集中して愛妻弁当でも作ってやってくれ」

「愛妻って、もう、剛志くんったら」


満更でもなさそうな様子だな。幸雄よ、お前に勝ち目はないぞ、コレ。


「んで、手伝うことあるか?」

「は、!いいえ、もうすぐ出来上がるし、剛志くんとびわちゃんはのんびりしてて」

「オッケー」

「ごめんね、お姉ちゃん」


しばらくの後に親父も来て四人で朝食した。その後、母ちゃんの仏壇に挨拶した後に俺は一足先に家を出た。


***


「ちーっす」


授業が始まる五分前、幸雄が教室にやって来た。俺と晴明はあいつに返事した。


「はよー」

「ギリギリだな」

「悪ぃ、うちのクラスのお人好し生徒会の一人が朝から川に飛び込んでさ。大変だったよ」

「もう!?二年生になって二日目だぞ」

「そう言えばもう一人がまだ来てねぇな。本人は?」

「着替え中」


お人好しの生徒会。うちの学校の生徒会になぜかお人好しが集まってくる。明確に困ってる人がいれば考えなしに行動する人たちだ。だが、根本は人助けだから自己中の正義を振り回っているわけではない。だから知り合いとしてほっとけねぇんだよな。今朝みたいに川に飛び込んで子猫等を助けるのがしょっちゅう。なので、


「二日目でこれか……マジで今年は忙しくなるな」

「ホント、心構えしておく方がいいよ」

「体力も落ちないようにしよう」


誰も関わらないでおこうと考える人がなかった。


***


昼休み


なぜか俺は担任先生に呼ばれた。向かう先は職員室ではなく化学教室。うちのクラスの担任先生は化学の教師で化学教室と言うホームグラウンドにいる。化学教室に入って奥の部屋に向かう。


「前田です。失礼します」

「よう、来たか」

「剛志くん」

「安立…?」


中に入ったら恵美がいた。なるほど、そういうことか。


「察しのいいお前だ。話の内容は大体わかるな?」

「前田だけに?」

「誰がうまいもん言えと言った」

「冗談ですよ。つまり、先生は俺たちの事情を把握してるってことですね?」

「ああ。主に私は安立の相談役として任されている。文字通りの若妻だからな。色々フォローする」

「ご自身がまだ結婚してないのに?」

「喧嘩売ってんのかコラァ」

「すいませんでした」


紹介しよう。我がクラスの担任、花沢花子(はなざわはなこ)。愛称、ハナセンセー(命知らずの生徒のみ)。二十八歳にして独身。年齢=彼氏なし歴。名前とは反対にまったく花色がない人生を歩んできたピュアババア。命狂いで結婚相手を探している。見た目は悪くないが、一つ許せないことがある。


「だから、なんで化学の先生がジャージ着てんだよ。白いコートを着るべきだろ。キャラ立てろや」

「口に出てんぞ、オイ。やっぱいっぺんぶちのめすわお前。それに、私はもう決めたんだよ」

「何が?」

「白い服を着るのはブライダルドレスの時だって」


何言ってんだこの夢見るババアは。恵美の笑みが引きついてんぞ。お、二回目だ。今日調子いいな俺。


「コホン、とにかく、そういうことなので、安立は何かあったら私のところに来てくれ。出来ることを手伝ってやる」

「ありがとうございます、花沢先生」

「センセー、俺は?」

「普段通りいればいいだろ?」

「え、俺にフォローなし?」

「必要か?」

「いや、ただ、この対応の違いはなんだろって」

「男女差別だ」

「マジで?」

「……冗談だ」

「今の間は?なんで真顔?」

「うるさいな。お前は自分でどうにでもなるだろ。安立ほどでもないが、うちのクラスの生徒を見直してみろ」

「………確かに骨が折るような連中が多いな」

「全くだ。さあ、これで話は終わり。早くしないと昼休み終わっちまうよ」

「呼んだ張本人がそれ言うんですかい。ま、いいけど」

「では、失礼します」

「ああ」


俺と恵美は部屋を出ようとするが、最後に俺はさっきから気になったことを先生に尋ねてみた。


「そういえば、ハナセンセー、さっきから何を作ってるんですか?」

「APTX 4896」

「…………」

「やっぱり時代はロリコンだよ。十代を超える女はもう手遅れだ。そう言えばこの前のお見合い相手が子供が好きと言っていたが、それは親的な愛ではなく性欲的な愛だったんだ。一週間一回に子供がないから隣の街の小学校を見学に行ってるしな。ならば私は幼女の身体を手に入れる。某探偵アニメの幼女博士のようにモテる。身体は子供、頭脳は大人の幼女に、私はなる!!待ってろよ全国、いや、全世界のロリコンたち!!!」


バタン


俺は無言で扉を閉めた。そんな先生の悲しい姿を見たくなかった。ああ、神様、仏様、異世界の女神様、花沢先生に幸ありますように。あ、異世界の女神様はやっぱいいや。飛ばされるか、死んで転生させたら困るし。

と、そういえばお見合いの相手、あれマジでヤバイのやつっぽいな。後で名前を聞こう。


俺は学食で、恵美は教室でお弁当だから、部屋出たら別れた。

学食に幸雄と晴明が俺のラーメンとともに待っていた。


「おかえり」

「思ったより早かったな」

「悪ぃな、お前らの『多分長くなるんだしラーメンを早めに買って伸びさせよう作戦』が失敗になったな」

「なんで分かんの?」

「図星かい」

「言っとくが幸雄の発案だな。それより、何話してた?」

「悪ぃ、言えねぇ案件だわ」

「なら仕方ない」

「ま、後半はハナセンセーの愚痴を聞かれる羽目になったんだがな。途中で逃げた」

「そりゃ災難だったな」

「まあな。ところで幸雄、お前はいつ振られるの?」

「ウヲイ!?何の飛び火!?」

「俺は面倒事を早めに済ませたいタチでね」

「だからなんで振られる前提!?晴明、何か言って!」

「大丈夫だ、幸雄。お前がいいやつなのは俺たちが知ってる」

「早めの励まし言葉!?全然嬉しくない!」

「逆になんで報われると思ってんの?」

「現実を舐めない方がいいぞ」

「おい、ダチ公ども!!」


俺の昼はこうしてダチとふざけてながら過ごしてる。だから恵美よ、お前は何も心配しなくていいぞ。後、チビもな。帰ったらあいつらにもう一度そう伝えっとこう。

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