埼玉上空UFO包囲網!
最初に見えてきたのが、やはり自衛隊の軍用ヘリコプターで、その後ろから、小さい、多分TV局用のヘリが飛んできた。
色んな方角からヘリが飛んできて、上空も俄かに煩くなってきた。
上空で聞こえるヘリコプターの音が信じられないくらい煩く、それと、なんと手際の良いこった!と驚きを通り越して、呆れてしまった。
UFO兼ねUFO型マンションの中を見回すと大型画面の薄型TVが白い壁側にあったので、これ写るの?とオーランド系に聞いてみた。
オーランド系は
「はい、写りますよ」
と言って、しかし、腕を組んでキャメロン系と真剣に見詰め合っていた。
見詰め合ってはいるが、美男美女だからと言って愛を育ませるシーンではなく、真剣に悩んでいるようにも思えたが、今更、悩んでもしょうがないじゃないの?
と私は突っ込みたくなったが、大人なので我慢していたし、と言うか、このトンでもなく非現実的な出来事のオンパレードにドラえもんの主人公のび太くんがあんなにお人好しなのは、このぐらいの非日常の衝撃を一気に食らって、脳のシステムが一時的にスパークしちゃったんだろうな~、
だから、のび太くんはあんな性格なんだ~とドラえもん考察論を突発的に唱えながらも、TVの前にあるローテーブルの上にあったリモコンを見つけて、やっぱりTVはリモコン時代か?みたいなことも思いながらTVのスイッチを入れてみた。
そこには、夜の上空から私が見慣れている埼玉の町並みを上空からと言うか俯瞰の角度で映し出されていた。
TVが何チャンネルか分からないが、というか、一応、チャンネルを変えてみたが、殆どのTV局が生中継ライブで、埼玉県上空30メートルにきっぱりと浮かぶ空飛ぶ異常に光り輝く円盤をくっきりと映し出していた。
それを私はUFO型最新マンション風リビングの高級ソファーに中腰になりながら、ハイビジョンの大型TVでくっきりワイドに見ている。
実にシュールだ、シュールを通り越して、これは映画だ、B級だけど150億円をセットとCGに使った笑っちゃう映画だ、いや、夢だね、夢落ち的な落ちが悪い映画の結末だよ、私は頻繁にチャンネルを変えながら、目の前の現実とTVモニターに映し出される映像とのリンクする場所で、ただただ、ソファーに座って画面を見続けるしかなかった。