口寂しさ
君は今日も
タバコをふかす
口が寂しいと言いながら
そんなニオイが嫌いな僕は
そそくさと逃げ回りながら
手近にあったパンをかじる
ふたりとも
口が寂しいのに変わりはない
言葉を交わせば満足するのに
心の内に秘めながら
吐き出すものは
煙とため息
まるでまるで子供っぽい
ガラスの扉の向こう側で
茶色くニヤニヤ君が笑う
ガラスを通してみられているから
きっと僕も茶色だろう
もしも鼻をつまんだままで
君にキスができたなら
このパンをかじるくらい
おなかが満たされるんだろうか
あぁ、タバコ臭い。
ありがとうございました。