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神聖騎士(♀)★「ジャンダル」神人聖清の場合

待ち合わせの公園


参った。

信号で引っかかった。

僕は待ち合わせの公園まで自転車を飛ばす。

女性を待たせるなんて。

よりにもよって愛村さんを。

愛村さんは自分にとって憧れのおねえさんだ。

スタイルがいいとかじゃなくて、なんていうかその女神さまだ。

二人はお似合いだ自分は見守ってることしかできない。

まあしょうがない。自分はまだ子供だ。

二人の間に割って入れる程の度量もない。

なぜか判らないが、自分はお二人が大好きだ。

愛村さんと同じように檜田さんが好きだ。

檜田さんを尊敬している。

自分が女性だったら、檜田さんに恋をしていただろう。


公園に着くと僕は急いで自転車を駐輪場に止め噴水に向かった。

愛村「神人く~ん」

噴水の所で愛村さんが手を振っていた。

嗚呼、今日も綺麗だ。

神人「お待たせしました、愛村さん」

僕は深々と頭を90度下げた。

愛村「ちょっと神人くん、もう人がみてるから」

愛村は恥ずかしげだ。

なんか恥ずかしがってる愛村さんも可愛いというか綺麗だ。

愛村「はい」

愛村は使い魔のモノを神人に手渡した。

神人「確かに受け取りました」

受け取った使い魔のモノを胸元に抱えて僕は答えた。

少しばかり使い魔のモノについてお喋りした。

愛村「じゃあね、バイバイ」

愛村は手を振って去っていった。

僕は愛村さんの姿が見えなくなるまで手を振って見送った。

受け取った使い魔のモノを自転車の前かごに入れると自転車を押してアパートに帰った。

なぜか顔が自然とにやけていた。


月曜日:

大学の講義にこっそり使い魔のモノを持って行った。

講義中に隣の空席に使い魔のモノを置いた。

同級生や教授は普段通りだった。

誰も気づかない。


火曜日:

自転車のかごに使い魔のモノを入れて商店街を走ってみたが、すれ違う人の関心はひけなかった。

なんか半日無駄に過ごした。


水曜日:

公園に使い魔のモノを連れて行った。

子供にもまったく気づかれなかった。

散歩中の犬も無関心だった。


木曜日:

本当に使い魔のモノは誰の目にも見えないのが証明された。

神人「君は本当に選ばれた人にしか見えないんだね」

使い魔のモノが何か言ったような気がした。

じっと顔を見つめていると口らしきものが動いているような気がした。

集中するとだんだん言葉らしきものが聞こえてきた。

神人「うわっ、なんか言ってる。えっと、使い魔のモノさんだね」

愛村の説明できちんと神人に伝わったのはそれだけだった。

モノ「はい!私、使い魔のモノです」

そう言うとおじぎをした。

モノ「ああああ様から聞いていると思いますが、私たちの世界では、現在魔王と人間軍との戦いが続いています」

神人「ああ、確かそうですね」

愛村の説明では全く神人に伝わってなく、なんとなく調子を合わせた。

モノ「この世界はまったく珍妙です。私の世界を真世界とすると、そう珍世界とでもいいましょうか」

「人間軍の精鋭が魔王の間に突入したのですが、魔王は最終決戦の前に保険をかけていました」

「1つ目は時間遅延の魔法を魔王の間に展開して、今も戦闘中の筈です」

「2つ目は平行世界に魔王の因子を蒔いていたのです」

「これがある以上、魔王は滅ぼせません」

「もし我々の世界で魔王を封印できても、平行世界で人間軍の陣営が不利になると早く復活してしまいます」

「ですが魔王は決定的なミスをしました」

「人間軍の精鋭の因子も蒔いてしまいました」

モノは一気にまくし立てた。

神人「君が、いや、君の世界の人が困っているのは判ったけど」

「自分には学校があるし、君の世界に助けには行けないよ」

神人は事情を理解して戸惑いながら答えた。

モノ「いえ、あなた方に真世界に来て頂く必要はありません」

「我々の真世界とあなた方の珍世界は連動していています」

「この珍世界での行動が少なからず我々の真世界に影響があるということです」

「あなた方に魔王の因子を持つ者を倒して欲しいのです」

モノは神人の目を見て力強く言った。

神人「君たちの世界は知らないが、僕らの世界、珍世界だっけ?」

「この珍世界では人を傷つけることは罪だ。まして殺すなんて禁忌なんだよ!」

「刑法第199条人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」

神人は激しい口調でモノに食って掛かった。

モノ「え・・・・・」

神人の言葉を聞いてモノは無言になった。

神人「力になれなくてすみません」

神人はモノに謝った。

モノ「そうですか、残念です。」

神人「すみません」

神人はさらにモノに謝った。

モノの言葉に嘘はないだろうが、悪いが協力できる限度がある。

女性陣を危険には巻き込めない。


モノ「これは力の天秤球です。魔王と人間軍の力関係を示しています」

モノは水晶球を取り出して神人に見せた。

透明な水晶球の中に金の天秤が浮かんでおり、真ん中で釣り合っていた。

神人「ふうん、力関係は5分5分というところかな」

モノ「そうです。お願いを変えます。」

「先ほどご説明したように二つの世界は連動しています」

「この天秤を人間軍の方に傾けるお手伝いをしていただけませんか?」

神人「なるほど、天秤を傾けただけ人間軍が優勢になるということか」

モノ「やはり、あなたは聡明な方だ」

モノの顔が少し明るくなった。

神人「暴力的な手段によらず、天秤を動かす方法か」

神人はこう呟くと考え込んだ。

モノ「方法はお任せします」

新たなお願いをモノは神人に頼んだ。

神人「とはいっても、僕の意見は最初から決まっていて、お二人に従うつもりだ」

モノ「やっぱり、この世界でもジャンダル様はジャンダル様ですね」

「考え方が一緒だ。自分より他人を思いやる」

モノは大きく頷いて言った。

モノ「ああああ様とジニー様の決定に従うということですね」

モノは神人の発言に再度念を押した。

神人「よく考えたけど、これが僕の結論です」

これ以上の回答を僕はひねり出せなかった。


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