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強引なプロポーズ

恋愛ファンタジーで女性向け作品です。苦手な方はバックプリーズ。

異世界へ何の理由も無く運悪く飛ばされてしまった少女と変態の物語(笑)




「結婚してください!」



 その一言から、全てが始まった。






 ここはとある寂れた田舎の一角、魔女の家。


 私はここで薬草を売ったり病気の人を見てあげたり・・・。


 そんな病院のような事をして生計を立てている。




「だから、結婚して欲しいと言ったんです」


「なんで私が突然そんな事を言われてあなたと結婚しなきゃならないのよ?」


「愛してるんです。あなたでないと駄目なんですよ。

 それに突然じゃないですよ。前から何度も言っているじゃないですか」


「意味わかんないんですけど」



 相手にしていられない・・・と、店の奥に踵を返す。


 明日までに調合しなくてはならない薬の依頼があるのだ。


 馬鹿を相手にはしていられない。



「・・・待ってください!」


「ちょっ・・・」



 腕を掴まれた。


 離せっ!!と掴まれた腕を引っ張り返すも、存外に強い力で掴まれており離れる事が出来ない。



「・・・何すんのよ」


「離しません」


「は?」


「結婚の了承を貰えるまで離しません」


「・・・ふざけるなっ!!」



 ドガゴォッ!!


 ・・・怒りのあまり、思わず本気で蹴り飛ばしてしまった。


 男のほうを見ると、悶絶し倒れこんでいる。


 ここで、か弱い女が少し蹴りを入れた程度で悶絶するなんて・・・と普通は思うかもしれない。


 しかし、ひ弱な現代人だった頃と比べてこの世界に来てから色々あった私は、今やその辺の男には引けを取らないぐらいの力があるのだ。


 それはもう、稀に絡まれる盗賊などを軽く吹っ飛ばせてしまえる程度の力。馬鹿力とも言う。


 この世界で出来た友人にはお前は女じゃないとのお言葉も頂戴してしまったほどだ。


 それを考えると私の手加減無しの全力の蹴りを受けて、吹っ飛ばずに悶絶するだけなんてこの男、見た目に反して意外と出来るのかもしれない。



「・・・ま、いいか」



 流石に、やりすぎたかもしれない。


 と、一瞬思ったが見た目とは違いなかなか丈夫そうな男なので恐らく問題ないだろう。


 それよりも、中断していた薬の調合の続きをしないと。


 だが。


 踵を返した瞬間に、がっしりと再度掴まれる二の腕。



「・・ちょっと!・・・いい加減に――・・っ」



 怒鳴り付けようと振り返ったが、声は最後まで紡がれる事も無く吸い込まれた。


 相手の口唇に。



「・・・んっ!?――んんん~~~っっっ!!!」



 もがくも相手にがっしりと抱きしめられ身じろぐことさえ出来ない。



「・・・っぅぁ・・・つ、ふぁ・・」



 そのままどんどんと深くなって行く口付け。


 息継ぐ暇もなく徐々に意識が朦朧としてくる。


 途切れてしまいそうな意識を必死に繋ぎ止めている私に、力が抜けてしまい抵抗出来ないのをいい事にいつまでも重なる唇。


 ねっとりと、何とか逃げようとする私の舌を絡めとる彼の舌。



「・・・っは、・・・ぅう・・・」



 一瞬、唇が離れた隙に何とか呼吸をしようとするもまた直ぐに絡め取られる。


 それから、どれほどの時が経ったのか・・・。


 随分長い時間だったような一瞬だったような、時間の感覚がよく分からない。


 私にくっついたまま、優しく見下ろすその瞳をぼんやり見つめる私。



「・・・キモチよかった、ですか?」


「っ、――なっ!」



 その一言で、我に返る。


 つい先ほどの出来事を思い出すだけで真っ赤になってくる顔。



「・・・一体、突然何すんのよっ!?」


「あなたが悪いんですよ。僕に隠れて浮気なんてするから」


「・・・は?・・・一体、何の事よ?」


「昨日、この村の領主の男と楽しそうにデートなんてしちゃっていたじゃないですか」


「思い出すだけで腹立たしい。あなたは私のものなんです。あなたに禁止されていなければ、今頃、嬲り殺しています」


「・・・な、冗談は――」


「冗談じゃありません。前から言っているでしょう?

 あなたは俺のモノだって」


「・・・私が、それを了承した覚えは無いわ。

 そもそも、あれはデートなんてものじゃなく、ただ単に店の営業について商談していただけよ!」


「そんな嘘信じられるわけが無いでしょう。

 それに例え、あなたにその気が無くても相手にはありますよ。

 あなたと一緒にいるときの、ヤツのあの伸びきっただらしの無い表情。

 あなたは可愛いんです。誰でもあなたを見れば夢中に成らずにはいられない。

 それをそろそろ自覚してください」


「・・・そんな事を言うのはあなただけよ。

 そもそも、私とあなたは付き合っている訳でもないわ。

 そんな事を言われる筋合いも無い」


「・・・それです」


「・・・は?」


「確かにあなたと私は非常に不本意にも只今付き合っていません。

 それもあなたの意思を尊重したからです。

 今はまだ恋愛にかまけている暇は無い、誰とも付き合う気は無いというあなたの言葉を」


「・・・ですが、それで今回の出来事です。

 あなたは私と付き合いたくは無いという。

 それでは、私はあなたが誰と浮気をしても文句は言えないということですよね?」


「そんなことは絶対耐えられる訳がありません。

 あなたが誰かと・・・なんて考えただけでこの付近一帯を吹き飛ばしてしまいたい気持ちになります」


「・・・恐ろしい冗談を言わないで」


「本気です。

 ・・・何度も言っていますが、俺があなたに言う事は全て本気ですよ」


「ですので、結婚してください」


「・・・どうして、そうなるのよ」


「あなたが付き合うのは嫌だと言ったんですよ。

 それなら結婚してください」


「・・・付き合うのが駄目なら、結婚も駄目に決まってるでしょ―――!!??」


「・・・すみませんが、それは聞けません。

 あなたが誰と浮気をしても文句の言えない立場なんて無理です。

 ・・・ですから、絶対結婚して頂きます」


「・・・ちょっ!!??

 ・・・人の話を聞け―――っっっ!!!」



 ・・・それからのことは口にもしたくない。


 この男がここまで強引なヤツだとは思ってもいなかった。


 あれよあれよという間に色々押し切られ、気付けば・・・。


 せっかく、異世界に来て色々苦労しつつもやっと落ち着ける場所と一人で食べていける仕事を見つけて、これから好きなことをして生きていける薔薇色人生だと思っていたのに・・・。


 こんなヤツに捕まった私は何て不幸なのだろうか。


 これからの人生に、思わずため息を吐いてしまう私であった。

ラブシーンと強引で嫉妬深い男と結婚に全く興味のない女の話を書きたくて、

さらにそれを1000文字以内の短編に収めて書く事が目標でした。

・・・見事に挫折。

2000文字を軽く超えてしまったorz

どうやったら上手く短く纏まっていて、尚且つ面白い話を書けるのでしょうか?


とりあえず、らぶなシーンの練習をしたいので機を見て短編置き場でセコセコ頑張ります。

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