第二話
少し話しが、飛びます…
あれから、五年の月日がたった。
広い屋敷の中、当主のアルバート・フォン・ロシュナンドは、今悩んでいた。
"何を?" と聞かれれば、溺愛している可愛い可愛い愛娘のことである。
「はぁ… どうしたものか…」
そう言っては長いため息をつく主を見かねて隣に控えていた老執事が、声をかけた。
「旦那様、いかがされました?」
「あぁ、お前か、フィリップ… 実は、先日メイド達から聞いた話で…」
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その頃、そのお屋敷の一人娘は…
「お嬢様? ユウナお嬢様ー? まったく、どこに行ったのかしら?」
始めまして、わたくしは、ロシュナンド家に仕えるメイドのエミリーと申します。
わたくしは今、この家の一人娘の、ユウナ・レティア・W・ロシュナンド様を、お探ししているのです。
ユウナお嬢様は、生まれた時から膨大な魔力をもって生まれたせいで、旦那様はユウナお嬢様を一度も外に出した事がありません。
奥様もお嬢様を、お産みになったときに亡くなられ、お嬢様を大切にしているのですわ。
でもでも!! 少しやりすぎだと思うのですわ!
お屋敷全体に、強力な結界が張られてあり、お屋敷自体にもさらに強力な結界が、張られているにもかかわらず、庭にさえお嬢様は出たことがないのです!
いえ、一度だけお庭に出たことがあるそうですわ。
でも、わたくしは、その時休暇をとっていてその事は、よく知らないんです…
って!! ユウナ様を早くお探ししなくてはっ!!
「ユウナお嬢様~!! ん? あれは… 最近新しく入ったメイドのサキ?」
あっ! ユウナ様も一緒だわ! サキがわたくしに気づいたわ!
「ユウ……」
「サキ… あのお花どんなにおいがするの? お外には、いろんないきものがいるんだよね?」
「えと…」
「あってみたいなぁ…」
ユウナお嬢様…
サキが助けを求める目をむけてきます…
でも、外の話をお嬢様にするのは好奇心をあおるのであまり話しては…
「ユウナお嬢様。早くお外に出られるようになるには、もっと魔法のお勉強をしませんといけませんよ。魔力さえ、きちんとコントロールできるようなれば、旦那様も外にお連れしてくださいます。」
「ブリジッタ様…」
ブリジッタ様は、私たちメイドのメイド長で、長くこの家にお仕えしている人です。
仕事には厳しいですが、とても優しい方なのです。
「うん… あ! 明日は、センジュ達がくるんだよね!!」
「はい。明日は、エンジュ様からの世界史のお勉強がありますので、おそらく、ソルティア様とトーマス様も、ミリア様と、アラン様をお連れになると思いますよ。」
「ホント!? ヤッターー!!」
「ですが、お遊びはお勉強の後でございます。」
「うん!!」
やっと、幼馴染の三人がでてきます。
ちょい、無理やり名前だけ出してみました…