雑文ラノベ「朝起きたらVRゲームの・・」
今日は金曜日。そして今の時間はアフター20。
しかも来週の月曜日は祝日なので、しがなくはあるがデスクワーク系サラリーマンである俺はこれより3連休に突入する権利を有していた。
ビバっ!サラリーマンっ!そしてご苦労様、休日労働のみなさまっ!俺は皆さまの分も3連休を満喫するぜっ!アムロンっ、いきまーすっ!
かくして俺はご贔屓にしているVRゲームの世界へと旅立った。
しかしゲーム内では無敵な俺も、さすがに不眠不休で連続48時間プレイはきつかった。なので魔王を倒し聖女と結婚式を挙げている最中に寝落ちしてしまったらしい。
でも安心してくれっ!まだ休日は24時間残ってる。なので起きたら聖女とハネムーンだっ!
で、薄いカーテン越しに差し込む朝日の眩しさに目を覚ました俺は、取り敢えず今が何時なのかを確かめようと時計をみた。すると何故かデジタル時計の日付は火曜日の午前7時だった・・。
あれ?なんで?俺の貴重な祝日な月曜日はどこにいっちゃったの?
寝起きのせいでまだ完全に覚醒していない頭で状況を整理しだす俺。そして徐々に状況を飲み込み始めた。
わーっ!俺って24時間も爆睡してたのかよっ!でもオネショをした形跡はないぞ?というか、会社に遅刻するっ!
完全に状況を把握した俺は急いでサラリーマンの装備を身につけると急いで革靴を履き玄関の扉を開け飛び出そうとした。
そう、飛び出しそうとしたのだ。でも普通ならば玄関外にはアパートの廊下があり、その向こうには隣のアパートの壁が見えるはずなのだけど、何故か目の前には大草原が広がっていた。しかもなんか巨大な生物とトンガリ帽子をかぶったちんまい女の子がどかんどかんと轟音を響かせながら戦っていたよ。
あれ?なんかこの光景ってデジャブなんだけど?あっ、これって俺が徹夜でプレイしていたVRゲームのオープニングムービーと同じじゃんっ!
えっ、という事は俺ってVRゲームの世界に転移したのか?そう言えばあのゲームの始まりってドラゴンと戦っている魔法使い少女を助けるところから始まるんだっけ。
えっ、という事は今の俺って転移勇者ってことなのか?うおーっ、燃えてきたぜっ!こりゃ、会社なんか行っている場合じゃない。魔法使いを助けて、その後この世界のお姫様とイチャイチャして、それに嫉妬してきた聖女を焦らしつつ、魔王を討伐してハッピーエンドだっ!
そう、俺は既に33回はこのゲームをループしているから今後の展開は全て頭に入っているのだ。なので俺はその分岐ルートの中で一番効率のいいルートを選択して聖女をゲットすればいいのであるっ!
よっしゃーっ!まずは魔法少女を助けて切っ掛けを作るぜっ!くくく、ドラゴンよ、俺のパンデミックサンバイザーボルトネックを喰らって消し飛びやがれっ!
俺は心の中でそう叫びながら玄関を飛び出した。そして見えない魔法障壁にぶつかった。
どんっ!ガラガラ、ぷつん。
「いてててて・・。」
ぶつけた額を手でこすりながら俺は今度こそ本当に覚醒した。そして目の前に俺の突進によって無残に画面にひびが入った液晶テレビの残骸をみた。
そうだ・・、あのゲームのオープニングって玄関の扉を開けたらそこは異世界だったってシチュから始まるんだった。
成る程、あんまり動画の作り込みがリアルだったので寝起きの俺は勘違いしてしまったのか・・。
だが、残念ながら俺は異世界へは行けなかったが現実世界では問題が発生している事を理解する。
「ギャーっ!去年のボーナスを全てつぎ込んで買った100インチ液晶テレビがぁっ!」
その日の朝、俺の魂の叫びは3km四方に響き渡ったと後に噂になった・・らしい。
-お後がよろしいようで。-




