表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大遠野国物語  作者: 古月 うい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/6

朝日

わたしは、陽の光の元を歩いたことがありません。


わたしは生まれてから常に日陰の人でした。


宰相が使用人に手をつけて生まれた、婚外児や私生児と呼ばれるのがわたしです。


わたしを宰相の娘と認識している人の方が少なく、娘の存在自体あまり知られてはいません。


わたしにとって幸だったのは、幼い頃から巫女だったことです。


巫女は、宰相よりも発言権が上にあります。


巫女であったおかげで、父もその妻もわたしを殺せなくなりました。


そのおかげで今も生きています。


『もしもただの私生児であった場合、わたしは五歳を迎える前に死んでいたことでしょう。』


招光帝国は『光が、希望の光、』陽の光がないところです。


巫女になったのはまだ物心がつくよりも前でした。


そして同時に元々一応はあったらしい名前を取り上げられたので、わたしはわたしの本名を知りません。


先代からずっと朝日と呼ばれていました。


先代はむっつりと押し黙り、ほとんど喋らない人でした。


けれど、わたしのことはよく可愛がってくれました。


『いつまでも一緒にいられないとわかっていたからこその優しさだったのかもしれません。


厳しく、愛情深く、わたしの母親と言える存在です。』


先代から舞踊を学び、先代がいなくなってからはずっと一人で光の巫女として暮らしていたわたしの元に、お茶会の招待状がやってきました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ