お誕生日
「お誕生日、おめでとう〜!」
「みる、食事の場よ。弁えなさい」
今日はいつもより早めに集まって、巫女国の中でピクニックです。
巫女国は水も光も火もある唯一と言っていい土地で、多様な動植物がありました。
「たまき、そもそも普段からたべながら話していて何を今更…」
「さあや、これ食べる?」
「いる」
二人のお祝い…のはずなのに気がつけばさあやのほうが二人よりもがたくさん食べてぃす。
『末っ子はこういうときにも強いものです。』
「孤児院、なんとか間に合ったよ。ありがとう」
「いいのよ。私もお陰で六位なわけだし」
皇位継承順位は相変わらずのようです。
「これが皇位継承権持ちの評価よ。私はここ」
たまきが出したのは各候補の母親、年齢、成績、人望など自由基準のまとめられた冊子だでした。
“第四側室腹の皇女。巫女になってから水路を整備し皆の暮らしのために尽くす姿はまさに聖女。
民の前になかなか姿を現さないのがまた神秘的で巫女らしい。
ただ、お身体が弱くなかなか公式行事に出席なさらないためこの順位となった”
「…だいぶ美化されているね」
「他もそんなものよ。全て読んでいると頭が痛くなるわ。なにせ全員の本来の性格を全て知っているのだから」
美化され続けるとどうしてもこうなります。
「一つ自慢よ。この冊子の大体隣に売られている各候補の悪口を書く雑誌がこれ」
「隣なんだ…」
そこには僻みやしょうもないような非難が並んでいました。
おそらく事実無根のものも多いと思われます。
二人でペラペラページをめくっていくと、違和感を感じました。
「…たまき、どこ?」
順位六位だけ何も書かれていませんでした。
「すごいでしょう?」
『誰からも不満を抱かれないということがどれほど困難なことか。
たまきは継承する気はないと公言しているようなものだったことも関係しているかもしれないが、十分すごい』
たまきは自信満々に微笑みました。
「あ、そうだ忘れるところだった。はい、たまき」
みるが差し出したのは、雪の結晶のようなものでした。
「なにかしら、これ」
「寒国の雪を集めて育てて、火の巫女パワーで溶けないようにしたの。
綺麗でしょ?」
立体になった雪の結晶が手のひらの上で光を受けてちらちらと輝きます。
「ふふっ、火の巫女パワーって何よ。みる、ありがとう。」
『みるは、一番能力の扱いがうまかった。』
たまきはみるに盤上遊戯を渡しました。
「これ、あげるわ。」
「…予想してたよ。」
たまきは盤上遊戯が大好きで布教したがる癖があり、辟易していました。
「いくつもの遊びができるものだから、気が向いたら遊びなさい。」
「…そうするね」
みるは苦笑いを浮かべながら受け取りました。
『いまにして思えば、みるには盤上遊戯の対戦相手がいなかった。
さあやには光花禰宜がいた。たまきは盤上遊戯が得意と有名で対戦相手に事欠かなかった。
けれど、みるは一人だった』




