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令嬢、山を消す

「お嬢様、朝になりました。起きてください」気持ちよく寝ているとエルナが起こしてくれた。


「もう朝なのね」眠そうに目を擦りながら呟く。


「第二王子様より手紙が届いております」そう言いながらエルナは私に手紙を渡してくれたから読んでみる。


「なんて書いてありましたか?」


「簡単に言うと追放が決まったっていう知らせですね」どうやら殿下は私に早くこの国から出ていって欲しいみたいだ。


「失礼な方ですね。お嬢様を追放するなんて」


「あまり殿下を悪く言わないでください。愛想良く出来なかった私も悪いんですから」


「すみませんでした」エルナが申し訳なさそうに謝る。


「もうあの方と関わることはないと思うので気にしないでください」


「分かりました。宿代を支払ってきますね」


「私が払います」


「ですが」


「これから国を作る訳ですから、王として色んな方に顔を覚えていただかないといけませんから」


「分かりました」エルナは私の言葉を理解してくれたらしく「一緒に支払いに行きましょう」と言ってくれた。


宿の支払いが終わり馬車で王都を出た私とエルナは近くの街に向けて出発した。


「これからどうしますか?」エルナが今後の行き先を聞いてくる。


「まず、王都から近い街を目指してそこから国境沿いに向かおうかと思ってるよ」


「お嬢さん達、どこに向かってるんだい?」2人で話していると馬車の運転手に話しかけられる。


「未開の地を目指してるよ」


「なんでまたそんなところを」正直に話したらあそこは危ないから行かない方がいいと言われてしまう。そんなに危ないのかと思ってしまうが口にするとややこしくなるので言葉にはしない。


「未開の地ってどんなところなんですか?」


「どんなところ、か・・・簡潔に言うと分からない」


「分からない?」


「あぁ」


「なんで分からないんですか?」


「理由は主に2つ。1つは距離の問題だ」


「距離ですか?」と言う私の問に彼は「そうだ」と前置いて話を続ける。


「その未開の地っていうのは山に囲まれてるんだよ。だから、行くまでが凄い大変だ」


「馬車ではどこまで行けますか?」


「山の麓までなら行ける。もう1つは未開の地に行った者が誰も戻っていないからだ」


「なるほど。麓までお願いします」私は馬車で山の麓まで移動するとそこからは自身に身体強化の魔法をかけエルナを抱き抱えてから空を飛んで移動することにした。


「あそこが未開の地ですか」予想では汚い場所を想像していたが思ったより綺麗だけど未開の地と呼ばれるだけあって何も無かった。


「降りてみますか」ゆっくり地面に近付いてみる。


「やっぱり、山は移動する時に面倒ですね」エルナがそう言う。


「そうですね」話を続けようとした時エルナに止められる。


「お嬢様、いつまで私に敬語を遣うつもりですか?」エルナは少し機嫌が良くないらしい。


「いつまでと言うと?」


「私はお嬢様の付き人です。敬語だと困ります」


「そこまで言うなら分かったわよ」


「ありがとうこざいます」


「あなたも敬語はやめて」


「さすがにそれは」


「辞めないなら私も敬語遣うわよ?」


「分かったよ」


「それでいいわ」エルナは私に敬語を遣うのを諦めてくれたらしい。


「話を戻すけど、山は消そう」破滅魔法で周りの山を消し去る。


「山が無くなって広くなりましたね」テレシアが山を消している頃、王都では騒ぎになっていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「陛下!報告します!」


「どうした?そんなに急いで」


「観測班からの報告なのですが未開の地の周りにあった山々が消滅したそうです!」


「なんだと!?」


「これは災いか災厄か!他の国にとも連携して山の入口があった場所に至急、壁を作るように伝えろ!」


「了解しました」


「未開の地で何かあったのか?」


テレシアの行動が周辺の国に知られるのはまだ先の話である。

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