「勧誘と誘惑」
GW毎日投稿したかったけど初日からムリだった。
廻が学校の化け物を倒した日から9年前
「どうぞこちらです。」
窓が黒く覆われているワゴン車から15歳ぐらいの少女がで降りてくる。
「ここ?例の魔物の死体?。」
時々一般人でも魔物を倒すケースはある、それだけだったら私が派遣されることはない。
だが今回の場合は、
「そうです。“鴉”による討伐の可能性があります。もし鴉の能力を持った民間人がいるならば非常に危険です。」
「烏魔人事件ねー」
私はよく知らないが30年ほど前にあったらしい。なんでも鴉を操る能力者が…
と、そんなこと考えながら雑木林を抜けると、黄色い線で犬型が象られている広場に出た。
「タイプA、獣型で間違いないかと。」
防護服を着た男性が軽く説明しながら書類を渡してくる。
「どーも」と言いながら受け取り、ペラペラとめくりながら目を通す。
「本日は貴方、一条 翠綺殿の任務はまずカラスの痕跡とそれから能力者を特定することです。」
正直面倒くさい、単純に魔物を倒す任務が楽でいいのだが、そうワガマガも言えない。
「確かに獣特有の空気と魔力が充満している、そして」
カラスの羽。
「だが能力で出した、というよりただ魔力を固めて出した、という方が正しいのかな?まだ6、7ぐらいの子供が出したんだろうな。」
うん、今はまだ大丈夫だ、また9年後ぐらいに迎えに行くよ。
私は後ろを向き、帰ろうとする。
それを慌てて止めにくる防護服の男性。
「ちょっと、まだ能力者が明確に判明してないじゃないですか!」
「いいの。それに面倒くさくなった。」
「そんなテキトーなー」と声が聞こえるがキコエナイキコエナイ。
それに、この能力を持ってるということは、残酷な運命を持ってるということなのだから。
※
私たちが欲している物を手に入れるのはなかなかに難しい。それを持ってるのは子供だけだ。
しかし、それを持ってるはほんの一握り。今までに沢山の子供に声をかけてきたが一人もいない。
「君、素晴らしい力を持ってるね。」
最初に能力があるか、それだけで殆どの子供が振るいに掛けられる。
だか、その点この子供はクリアしている。
「その力を使ったことはあるかい?」
ウン、とその子供は首を縦に振る。
「普段から?」
ウウン、今度は横に振る。
「なぜ?なぜその力を使わない?」
「パパとママが怒るから。」
「悪い事だと思うかい?」
ウウン、今度も横に振る。
決まりだ、この子には善悪がない。そうだ良いぞ、最後だ、これに首を縦に振れば…
「君はこの力を使いたいかい?」
ウン。
「最高だ。君、名前は?」
「宇留間 屍羅」