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黒鳥奇譚  作者: ヤマトゥー
腐敗の翼
20/26

「合成獣〜Chimera その2」

…ハイ、とても長く開きましたね…。

いや違うんです、高校生活がね…楽しいし、大変だし…タカキも頑張ってるし、私いじけちゃうしぃ、団長が止まらないしで大変なんすわ

「……ん!…君!」

(…なんだ?僕の声を呼ぶ声…が聞こえ…)

「………玲渡 廻!」

「ハッ!」

 環の声と数発の銃声を聞いた僕は、目を開けた次の瞬間、後ろに大きく跳んだ。

 これはほぼ条件反射みたいなものだ。

(なん十秒?いや、何秒気絶していた?!)

 環が銃を使って遠隔から魔物を誘導してくれたおかげで、今なんとか僕は生きれている。感謝だな。

 (えーとぉー、たしか…馬の魔物を倒したけど、ナゾの魔人がゾンビと合体させて……)

 …とにかく…

「ヤバいって事だけ思い出した」

「…ナニそのタンカン(何その単純な感想)…。それより今は…逃げながら現状報告した方がいいんじゃないッ!?」

 ケンタウロスは避けられたことを微塵も気にせず、後ろ脚を軸にこちらの方を向き、再び(ひづめ)を鳴らす。

 咄嗟に危険を感じ、僕は右に環は左へとそれぞれ別れて攻撃を回避しながら、僕は質問する。

「環!残弾は?」

 そう言われた環は銃とそれを握る手に意識を集中させる。

「……重さからして…左1…右が3(ブツブツ)、4発、4発だ廻君!」

「4か…少々心許ないが…僕が隙を作る!そしたら残弾全部ぶち込んでくれッ!」

「なっ!辞めろめぐ」

 俺は“赫“を発動させ、環の静止を振り切ってケンタウロスに飛び掛かる。


(まずは…信じられるのは自分の経験だよな。さっきとおんなじ戦法通じるか?)

 僕の行動原理はただただ一つだ、『何かをする。何もしなければ何も始まらない』

 当然と言えば当然だが、バカな僕は脳死で出来ることをできるだけやらだけで、今まで乗り越えてきた。

 

 馬の顔は僕から見た右側。

 僕は烏を右に配置させ、いいタイミングか来るまで瓦礫の影に忍ばせておく。

 ケンタウロスは床のコンクリートにヒビが入りそうになるほど後ろ脚に力を込め、さっきとは比べ物にならない速度で向かってくる。

 烏を正面に飛ばし、相手のスピードを逆手に取って大ダメージを与える算段だ。

 しかしヤツは右に大きく逸れ、軽くかわし、着地した次の瞬間にはまた僕に向かって突進を開始する。

 それを横に転がって回避するが、頬を大きな骨が掠め、ピリッとした痛みが頬に走り、ヒヤッとした。

 起き上がり、ヤツを探すと2メートルほど離れた場所で止まり、方向を変えていた。

(なるほど、スピードは上がったから直ぐには止まらなくなったのか)

 まるでマシーンのように、ただ単純に僕に向かってくる。殺意に手足が生えた生物のようだ。

 

(廻君が隙を作ると言っていたが…正直言って厳しいだろう)

 瓦礫の陰に隠れなから、機会を伺っている環はこう考える。

(彼に落ち度はない。彼は初任務だと聞かされている。だから“パワー特化型”のようなタイプとの戦闘経験や対処法を知らないのも無理はない。かと言って近接苦手な僕が出ても瞬殺されるだけだし…、おとなしく()()()()()でいくとしよう…)

 環は物陰で、ひっそりと行動を開始する。


 蹄がコンクリートを蹴る音を聞き、一歩横にズレ、更にそっからもう一歩後ろにジャンプする。

 直後僕がいた所に骨が打ち付けられる。

 先程までの馬だけだったらここまでやる必要はないのだが、ヤツが武器を持っているため行動パターンがだいぶ変わっている。

 今自分が立っている所に本体が突っ込んで来て、そのタックルが避けられても、避けた先を武器()で叩く。実に凶暴な攻撃方法だ。

 それに、結構余裕ぶってるけど、ちょっとでも気を抜くと強く踏み込んで瓦礫片を飛ばしてくる。

「痛ぇ!クッソヤロオォー!」

(だが準備は出来た。くらえクソヤロオ!)

 瓦礫が不安定でジャンプで逃げるのは困難な場所にヤツを誘導。

 左右の烏の召喚を解除して、羽を散らす。

(これでヤツは一羽より沢山いる側面の防御を固める。そして…僕が直々に“赫”をぶち込んでやる!)

 しかしヤツは気配を感じ取ると首を左右に振り、害は無いと確認し、床を蹴り、豪速の体当たりを仕掛けてきた。

 防御を考えなかった僕に、それを避けることは不可能で、それを認知した時にはヤツは目と鼻の先だった。

 拳は当たった。しかし恐怖で中途半端にブレーキを掛けてしまったせいで、ダメージは無にも等しかった。

 それに対して、白い残像が目の前を一瞬通り過ぎたかと思うと、身体にとてつもない衝撃が駆け巡る。

 右腹に会心の一撃をくらい、臓物が悲鳴を上げ、身体中の細胞が血を吐いているかのようだ、多分骨も数本折られてる。

 なんとかして、心臓を魔力で防御できたが、次の攻撃を凌げる手立てが見つからない。

(詰みだな…)

子鹿のように震える左腕で身体を支えるが、起きようとしない身体を腕一本では支え切れず、地面に倒れ込む。

 ヤツは先程と違い、僕が動けないことが分かっているから、ゆっくりと近づき、ゆっくりと骨を上げる。

(こちらのカウンターをいっさい警戒していない。…まぁそれが正しいだろう…ここで終わりかな…)

ヤツの蹄の「コツコツ」と言う音が僕の人生の終わりを告げる時計のようにこの地下駐車場に響く。

次回は一体いつになることやら…できるだけ早く投稿できるように頑張ります。

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