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黒鳥奇譚  作者: ヤマトゥー
MARS試験
14/26

「勝者〜king」

20話記念で、挿絵やりたいので下書き描いてます

「あだ!だだだだー!」

何してるかだって?僕は襲ってきた挑戦者達を一人は腹パンで気絶させ、もう一人を肩固め(かたがため)している。

興味本位で肩のところをクイっとやると、「あー!!やめ!やめてくださいー!」と更に悲鳴をあげるのは、ちょっと滑稽で面白い。


「はん!威勢がよか割に根性なか」

源馬は胸ぐらを掴み尋問する

「だいん差金じゃ?」

「い、言わな…い、くっ…」

「気絶したか」

『ピロリン!源馬様の順位が変動しました』

確認すると4位になっている

しかし、点数が増えていないのに順位が変わったて事は4位だった奴が抜けたのか?


4位 島津 源馬35点

3位 蛇木 亜紗44点

2位 玲渡 廻58点

1位 仁・アダムス 134点

あと5日、僕はともかく源馬は少なくとも10点は取らなければいけない

(にしてもこの仁・アダムスて奴は化け物か…いや考えてる時間はない)

「行こう、源馬」

「おう」


7日目:廻・63点  源馬・55点  亜沙60点

烏は上空を飛びながら魔物の影を探す、見つけたのなら殺さない程度に、攻撃


「バァーバァー、バァ!」

独特の呼吸をする異形の獣は血の匂いを嗅ぎ分けて、一目散に駆け出す

草を掻き分け、地面を駆け、ゴツゴツとした不安定な所に血の匂いを発見し、飛びつく

「どせい!」

魔物の死体を囮にし、血の匂いに釣られて来た魔物を源馬が一撃で葬る、魔物は足場が不安定な場所なので避けられない

「ピロン!3ポイントが追加されました」

源馬のポイントは増えている、しかし

(この亜沙という奴が厄介だ、さっきから源馬の得点が増えるたびに点を獲得する、しかし僕を追い抜かさない、気色の悪い)


そして僕たちは最終日、10日目に差し掛かった

廻:84点  源馬:69点  亜沙:75点

相変わらず亜沙という人物は僕に追い付かず、源馬に追い付かれずを維持している


「くっそー!もう時間がない!」

魔物の知能レベルは低く、目の前の人間を徹底的に攻撃してくるため、僕がヘイトを買い、途中で源馬に移す事は難しく、自分で倒さなければならない場合も多い


「だいじょっだ、心配すっな、おいはまた次回ん試験に挑戦すりゃよか」

「違う、源馬それはダメだ。僕は君に命を救ってもらったのに、僕が合格で君は不合格なんていけない」

(こげん状況でん、人ん心配をすっか、根っからん善人じゃな、確かにおいは金を貰わんでん助けていたじゃろう、じゃっどん逆ん場合相手ん合否まで心配すっことはおいにはできんじゃろ)


「ふっ、よか案があっ」

「いい案?」

「ああ、わい(きみ)は“ヌシ”ん存在を知っちょっか?」

「ヌ、ヌシ?」

「おう、こん島にはAランクん魔物が一匹だけいっ、おい一人、わい(きみ)一人じゃと倒せんかもしれん、だが今は2人じゃ」


「特徴は?」

「どデカかアルマジロ、とだけ聞いた」

僕は覚悟を決めて烏を召喚する

「目標![デカいアルマジロ]!探せ!」

これが最後のチャンスだ


時は同じくして、何かを察したヌシは、いつも鳴かない筈の鳴き声をあげる

その声を聴き、二匹の魔物が目覚める

ガライ:Bランク 全長3メートルになるオオカミ

ザンド:Bランク 全長5メートルのオオトカゲ


廻と源馬は今まで以上の速さで島中を駆けまわり、手当たり次第に魔物を倒す、走る、倒す


やはり無理か、そう思った時、進展があった

「烏が殺された、それも魔物2匹に共闘されてだ」

魔物は普通共闘しない、しかしそれは上の存在がいた場合は別である

見た限り奴らはかなりの高レベル個体、つまりそいつらを束ねているのは…

「ヌシ、っつうわけじゃな」

「そうだ、多分そこにいる奴ら2匹を倒せばヌシが出てくる可能性がある」

「行っど」

源馬が駆け出す準備をするも、僕はそれを制止する

「いや、予想外だ、アイツらもうこっちに来てやがる」

僕が焦ると、「ウォォォォォーン!」とオオカミの鳴き声がし、声のする方を二人で振り返る

そのせいで反対方向から飛び出して来たトカゲへの反応が遅れ、二人とも吹っ飛ばされた

「うが」「うお」

次の瞬間にはオオカミが飛び出し、体格の小さい僕にまたがる

「それで拘束したつもりか?『烏・赤』」

僕は力の烏を出して上から体当たりさせる

だかそれだけでは仕留めきれなかった


「ケツ(こいつ)ら、Bランクで最上級か」

源馬も同じく苦戦している様子


それもそのはず、源馬は「島津真拳流しまづしんけんりゅう」、対人戦のプロであり、能力でそれなりに戦えるがやはり真価を発揮するのは対人型である


(クソ厄介ッ!一旦烏を戻すか)と、烏の能力を解いたこの時、烏の赤いオーラが自分に流れ、自分の身体が赤いオーラを纏う

試しに殴ると、先程との威力の違いが顕著に現れる

その時に“烏の眼”にデカいアルマジロが見える


「源馬ッ!コイツら二匹は僕に任せろ!あのデカい山の方から“ヌシ”が来る!そっちを任せるぜ!」

「… じゃっどん…」

「烏の能力がある僕の方が対多数は得意だ。だいじょっだ、僕に任せ源馬」

「…………」

(アレ?薩摩弁失敗?)

「ふっ、フハハハハ!分かった!けしんなじゃ(死ぬなよ)」

そう言うと源馬は走って行った

それをトカゲは逃がさまいと追いかけるが、勿論僕はそれを行かせない


(まずは“赤”を解除、速さでは追いつける!喰らえ!)

十八番の蹴りをかまして、ヘイトを自分に向けさせる

突進してくるトカゲを踏み台にして高く飛び“赤”の烏を出す

(スピードが遅い奴でも、落ちながらなら)

加速した烏はオオカミに体当たりさせ、行動不能にさせ、

烏の“力”を受け継ぎ、赤い一撃をトカゲにぶち込む

死角から復活したオオカミが飛びかかってくるが、

「烏で見えてんだよ!」

振り返ってタイミング合わせて顔面に一撃、怯んだ隙に有りったけのパワーでトカゲにぶん投げ、まとまった所に

「喰らえ!“赤”」

まとまった魔物は魔力でガードをする暇もなくバラバラになった

「ピロリン!10ポイントが追加されました」

僕は端末を操作して、10ポイントのある物を買う

これでプラマイ0、亜沙が加点する事はないだろう


その時「バギバギ!」と轟音が、まるで僕を急かすかのように鳴り響く

「源馬ー!」

僕はすぐに駆け出す


(さすがAランクな事だけはあっ、レベルがちごっ)

魔物はその巨体からは想像できない素早の攻撃を繰り出して、源馬を圧倒する

まだ隙をついて反撃出来るあたり、源馬も強いのだが、殺気を感じ丸くなる

この状態はいくらの能力があってもダメージは通らない

後ろから舌が伸びて来て、首を締める。丸まった状態で舌だけ伸ばして地面を堀り、背後から攻撃をしたのだ


「クッ、グハァ」

(意識がッ、飛ぶ…)

「カアッ!」

意識が無くなる寸前、烏が横切り、舌を切り裂く

受け身が取れず尻もちついたが、肩で息をし、なんとか助かった

「遅くなったな」


僕は烏に“例の”物を咥えさえて、左右に飛ばす

そう、僕が買ったのはワイヤー、その真ん中が丁度ヤツの顔に来るように飛ばし、丸まって転がろうとしたヤツの勢いを殺した


「今だ!源馬」

「ぅオオオオオオオオ!」

源馬の拳が、まるで重機がタックルした様な音をだす

魔物は宙に浮いてる烏と共に吹っ飛んで行った

(フハハ!バガ力だ)

源馬は飛んで行った方向に駆け出した


「こいでトドメじゃ!」

と、拳を構えた時には魔物は死んでおり、すぐそばにムキムキのタバコを咥えた老人が立っていた


「あ?テメーらか?このデカブツぶっ飛ばしたのは」

「ピロリン!10点が追加されました」

「なんだ今のがAランクか、弱ってたとはいえもうちょい歯ごたえが欲しかったな」


僕はその場に着くと、直ぐに状況を把握した

「テメェー!横取りしやがったな!何もんだ!?」

「俺?俺は仁・アダムス。仕留めきれなかったテメーらが悪いんだろ?ハハ!」

「… すまん廻、おいん合格は無理じゃ」

源馬はとても申し訳なさそうに謝ってくる、が廻は源馬を観ていなかった

「…ジジイが」

「あ?」

「こぅぉんのクソタバコジジイが!源馬お前が合格になる方法はまだあるぜ!」

僕はアダムスの方に振り向き、睨みながら

「このジジイが決闘して、負けた方がポイント0になるまで物品購入、これなら4位のお前が3位になって合格だ!どうだ?!この決闘、受けるよな」


「………試験中に頭でも打ったか?やるわけねーだろ」

「そうだ辞め廻!おいは次回受くればよか」

「逃げるのか?どーせその百何点も雑魚狩りで取ったんだろ?」

「あぁんだとクソガキ?タバコ4本程度のカスが」


「ノるの?ノらないの?どっちだ?」

「上等だクソガキ、後悔すんなよ」

(ノった!こーゆー駆け引きは得意なのよ)


「さて、制限時間は残りの試験の残り時間でいいな」

「ふぅー、ああ良いぜ、とっとと終わらせてやる」

アダムスはタバコに火を付ける、吹かしながら戦うつまりなのだろうか?


「じゃあ。いくぞ!」

先手必勝、自分の出せる最高速で、殴りかかる

しかし、それをいとも容易く掴み、逆に腹にどぎつい一撃を喰らう

「ガハアッ!」

「まだだ!」

そのまま動きの止まった自分を木に叩きつける

(クソッ、だが距離を取らせたのがお前の負けだ!“赤”・烏!)

烏が直線で奴に体当たりする、しかし簡単に見切られ撃ち落とされる

(だがそれも予想済み、今の攻撃で烏の“羽”が舞っている、今なら“赤”の力が継承されている、今なら顔面どストレートで!)

「ぅおらー!」

一瞬だけ視界のさえぎりがあり、普通ならぶっ倒れるぐらいの一撃が入る

しかし、それは圧倒的な魔力の差があれば………

「効かねーな」

「なっ!?」

「死ねッ!」


仁・アダムス。元アメリカ軍所属

仲間は彼の事をみなこう言った「Shootショット Fistsフィスツ 銃要らずの男」と


僕は消えゆく意識の中で段々と木が近づいてくるのを最後に、視界が暗転する

(背中、イテ………)


「フンッ!気絶したか、おいテメー!コイツの端末操作してタバコ買え!分かったか?!」

「………!?………」

源馬は信じられない物を見ているようで、アダムスの言葉が聞こえない

「おい聞いてんのか?!ハッ?!」


背後からの強烈な殺気を感じ、遠くに跳ぶ

その反応速度は流石元軍人と言ったところだろうか

しかし、もはや「凄い」を通り越して異常とまで言える事態がそこで起きている


廻は立ち上がった。今まで常人なら死んでもおかしくないダメージをバンバンとぶち込んだ、その身体は能力の“赤”と血の“赤”で染まっている

なのに立ち上がる、不死鳥の如く


「第二ラウンドだ、タバコジジイ、()を殺す気でこいよ、じゃないとお前が死ぬぞ」

その風格はまるで百戦錬磨の軍人、本物の軍人だったアダムスが感じ取ったとだから間違いない

いや、もっとそれ以上に不気味な、全人類を破滅に追いやるような()()が…


「さぁ、やろうか。鴉“赤”」


アダムスが前に踏み込もうとした瞬間、背中に落ち葉を乗せた烏が穴を飛び出し、流石に脚の向きを変えられずに片脚が穴に入ってしまった

「さっきのAランクが掘った穴だ、死ね」

俊足で廻は近づき、顔面に1発、2発、3発、4発…トラッシュを叩き込んでいく

そう、それは今までなら有り得ないこと、アダムスが鼻血を出したのだ


その時アダムスは明確な「死」を見た、殺されると戰慄した瞬間

「ビービー!只今を持って、MARS試験を終了とします!現時点でのトップ3名は南の山まで集合願います。以上、解散!」


「ハァハァ、お、終わりだとよ!」

アダムスが僕を突き飛ばす。しかしそれは攻撃ではなく、一刻も早く自分の命を奪う可能性のある化け物を遠ざける為の行為、つまり怯えているのだ


「すまん源馬、僕だけ合格しちまって」

アダムスはその場をそそくさと去って行った


「いやだいじょっだ、おいは来月受くればよか。そいよりわいん怪我もだいじょっかよ?」


「ああ、血はもう少しで止まる、それより来月の試験、頑張っ…来月?」


「う?うんMARS試験は毎月行われちょっじゃー、試験会場ん島がローテーションじゃっで“ヌシ”ん情報調べてこられた」

(あの人僕に「1年に3回」とか言ってケツに火付けたな)

結局あの人のてのひらで転がされていたわけ、か


僕はトボトボと歩き、指定された山に着いた

そこには既にアダムスの姿があり、僕を見た瞬間「チッ」と舌打ちをして、そっぽ向いた


(まだ“亜沙”は来てねーのか)

「2位での合格、おめでとうございます廻様、流石ですわ」

「うわっ!びっくりした!君が蛇木へびき 亜沙あさ?」

「まぁーわたくしの名前を覚えてくださるなんて、なんて幸せなんでしょう、亜沙。感激」

「いや!嫌でも覚えるは!あんな気色の悪い点数稼ぎされたら!お陰で仲間が合格できなかったし、Aランクと命がけで戦ったり!化け物と決闘したし」

僕はこっそりとタバコジジイ(アダムス)の方を向くが、「我関心せず」を貫いていた


「まぁそうでしたの?てっきり()()()()()()()()()()()()()()()()()の1人だと思っていました!この罪はわたくしの命で償います」

そう言って亜沙は剣を抜いた

「あー待て待て待て!いい、許す!だから自殺は辞めろッ!」

「まぁーなんて慈悲深いおかた」

なんだろう、凄いめんどくさい気配を感じる


(ん?………コイツなんで僕が命狙われているの知ってんだ?そもそも僕この人のこと見たことないぞ)

「あら?『なぜ自分が命を狙われている立場なのかを知ってるのか?』とか思ってます?」

「………エスパーかよ、お前」

「ふふん、廻様の事なら何でもお見通しです、勿論命を狙われている事を含めて」

「君は何者なんだ?蛇木 亜沙」

「貴方を讃え、信仰するものですわ。玲渡 廻様」


「さて、おしゃべりはそこまででいいかな?二人とも」

おっと、いつのまにかスーツにグラサンの男が来ていたらしい

「さて、今回合格した3名、じん・アダムス、玲渡廻、蛇木亜沙、今日から君たちはMARSの隊員だ。人類を魔物の脅威から護ってくれたまえ」

その後色々とめんどそうさお話を聞かされて解散となった


「おかえりぃー」

「翠綺さん…」

最初に降りたビーチに戻ると翠綺さんが迎えに来てくれていた

「“思い通りにいかなかった”て()()だな、廻ぅ、それらを加味して我々はMARSの一員なんだ」


飛行機に乗ると僕はずっと窓の外を見ていた

「………源馬さんの派遣、ありがとうございました」

「ん〜?いい人だったろ?源馬」

「…はい。次なら受かりますよね、彼」

「ふふ、多分な」


それから僕は一言も喋らなかったし、翠綺さんも何も言及してこなかった


その後僕は山の中の基地に帰ってきて、3日休みを貰った

今はシャワーを浴びている

(そういえば試験中に背中が痛くなったな、古傷が痛む感じだった)

僕は背中に手を伸ばしたり、鏡を使って見てみても、何もなかった

(おっかしいなー、何だったんだ?)


しかし、背中には傷があった

何故か触れているのに、身体が()()()()()()()()()|

眼で見たのに、眼球が()()()()()()()()

しかし、傷はしっかりとあった、まるで鴉の鉤爪かぎづめで引っ掻いたような、斜めの傷が3本


翠綺は自身の仕事部屋で、悩んでいた

内容は勿論廻について

報告によると廻の烏は『“赤いオーラ”を纏いパワーの大幅向上に成功』とある、そして30年前の『烏魔人うまじん事変』に関する文献によれば『暴走の烏魔人、赤き破壊の鴉を従え、暴虐の限りをつくす』とある

更にその続きもある


「…はぁー。廻、君が強くなるのは私としても嬉しい、しかしその進化の階段が断頭台だんとうだいへの階段でないことを祈るしか今の私にはできないぞ」

人物紹介

名前:仁・アダムス 年齢:67歳  身長:2m 体重90kg

能力:???   好きなもの:酒、タバコ

島津源馬と同じく体脂肪率一桁、元軍人

身体的特徴:白くて長い髭、髪、大体いつもタバコ吸ってる

作者から:ジジイ、源馬とキャラ被ってんねんワレー


はい、如何でしたでしょうか?今回で試験編を終わらせたかったので少々詰め込みすぎてしまいました。次回からまたゾンビとかそこらへんの敵になります。あとお料理のレシピを書いたのでそちらも読んで頂けると嬉しいです

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