受験生
大崎 楓です!
なんとなく書きました。短めですぐ読めて良い言葉が聞ける小説です。
神月翔子 32歳独身
しがないOLです。
自慢はこの巨乳!
なんて冗談はさておき
こんな私は
それなりの人生を生きてきました。
高校生の時は親に縛られて生きるのが嫌で
大人になって家を出れば自由になれると思ってた
だけど、社会は不自由だ。
知らない奴らにペコペコして、上司の命令で残業ばかり。
笑顔の作り方もわからなくなってきた。
靴を脱いで家に帰れば、洗いっぱなしで積まれた皿
畳まず放られた服
そんな私にも最近は趣味を見つけました。会社終わりに、アパートに荷物置いて缶ビールを持ってアパートの周りをぶらついています。
こんな人生でも嫌なことをこれで忘れられるんだから。私って単純なのかも
そんなことを毎日続けてた。10月29日金曜日夜10時
最近は肌寒くなってきました。
毎日のように缶ビール片手に歩いていたら、アパートの近くの公園のベンチで少年が暗い顔しながら座っていました。普段の私なら声などかけませんが、今は酔っていたので声をかけてしまいました
「ねぇ君、なぁにしてるの?」
「何ですか?お姉さん」
「いんやぁ、何してるのかなって思ってさ。悩みでもあんなら、お姉さんが聞いてあげようか?」
「いいです」
と少年は歩いていこうとしましたが私が腕を掴んで止めました。
「そんな謙遜せずにさ、話してスッキリしようぜー」
「離してください!」
離しません。自慢じゃないけど力はあるんですー
そんな感じでしつこくしてると、男の子は諦めたのか
話を始めました。
「僕は今高校3年生で、もうすぐで大学受験なんです」
へぇー高校生かぁ、いいなぁ
「行きたい大学があるけど、自分は受かるのか不安で不安で仕方がなくて。こんな感じで夜に外に出て気分を晴らそうとしてるんですけど、なかなか晴れなくて。他にも親の期待とかもあって、怖いんです」
ふぅ〜ん
「どう思いますか、お姉さん」
「う〜ん、知らね」
「えっ!」
男の子はまさかそんな事を言われると思ってなかったようで驚いていた。
「まぁ、人生にリセットボタンなんかないんだから、そんなに追い詰められてんなら電源落とせば?」
少年は言葉の意味が徐々にわかり、少し怒りを表情に現す。
「何を!」
「じゃあ努力するしかないね。その努力が報われるかはわからないけど、無駄な努力なんてないんじゃない?人生なんて死ななきゃ何回失敗したっていいんだよ、でも一回の諦めが全てを壊すんだ、諦めなきゃなんだってできんだよ人間は。そうできてんだから」
「は…はい」
「君の不安なんか大した事ないよ、受験なんか人生の中のたかが一つの高い壁だ。壁なんか人生にたくさんある。それを乗り越えれば、それは君を守る高い砦になるんだ。ただ、それだけだよお姉さんから言えるのは」
「はい、あ…お姉さんの名前って」
「翔子。神月翔子だよ〜。翔子ちゃんって呼んでね」
「わかりました。翔子さん。ありがとうございました」
帰ってく彼の瞳は明るいものに変わっていた。
まぁた、いいことしちゃったな〜
あっ翔子ちゃんって呼んでくれてない!ざんね〜ん
そうして、気分良く私はアパートに帰り。熟睡しましたとさ。おしまいって言いたいけど後日談でぇ〜す。
数年後に、その時話をした男の子が私の元に来ました。彼は起業して、有名な会社の社長になってました。まぁすごい
そして男の子は私に求婚してきました。こんな四十近いおばさんに!嬉しかったけど丁重にお断りしました
彼はあの時の言葉をもとに頑張ったんだろうけど。それなら今は他にあなたを支えることができる素敵な女性を見つけなきゃって。私は話をしただけ、それは運命なんかじゃないって言ったら悲しそうに帰ってきました。これからも彼の幸せを願ってます。
まぁその時も、夜に缶ビール飲んでぶらぶらは続けてましたよー。
後日談でしたぁ〜( ´Д`)y━・~~
読んでいただきありがとうございます。
どうでしたか?この言葉が誰かの心に響く事をねがってます。最後に感想よろしくお願いします。