ガール・ミーツ・ガール
その日はたまたま機嫌が悪かった。
作った魔法薬はことごとく失敗、猫にはひっかかれるし師匠には杖を没収されて、本当に散々な日だったのだ。
あー魔法バンバン打ちたい、もう市街地とかどうでもいいよ。とか思った。
その悪癖のせいで師匠には杖を没収されていたけど、元々杖がなきゃ魔法が打てないとかいう繊細な精神は持ち合わせていなかったし、打とうと思えば杖無しでバカスカ打てるタイプなのだ
。
体に溜まった魔力がぐるぐる渦巻いて吐きそうだったし、ここらでドカンと花火でも打とうかと思っていた。
歩いていたら高等学校の学生らしき集団がかたまってなにか騒いでいて、その喚き声がいやに頭に刺さってイラついたので、ちょうどいいや、ドカンとやっちゃおうとでもおもって、おーい!と声をかけたのだ。
思い描いていたのはただの不良集団だったのだけど、
振り返った集団の奥には座り込んだ女の子がいて、涙でグシャグシャになった顔に髪の毛が張り付いていた。
「なんだよ、おまえ」
ひときわガタイのいい、赤髪を刈り上げた男が面倒くさそうにふりかえる。
ぐしゃぐしゃになって泣いている小さい女の子が昔の自分に重なって無性に悔しくなって、ひと暴れするだけじゃ気がすまなくなったのだ。
男を無視して女の子に問いかけた。
「何されたの?」
女の子はえづくだけで言葉を発さない。
私は確か笑いかけて何か言ったのだ。
そう、たしか────
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