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No25 怠惰に甘えて破滅した

 マイルの身体を真っ二つに斬り裂いた。



「うがァァァァ!!!」




 断末魔のような叫びが轟いた。



 そんな中リバティが私に近づいた。



「レナ。ちょっと刀、貸してください」



「えっ?」



 私は言われるまま日本刀を手渡した。


 すると刀を受け取ったリバティは、ニコッと優しい笑みを浮かべてーー悪魔のようにマイルの両脚をズバッと切断した。



「あああぁぁ!!!」



 もはや声にもならない悲鳴を上げるマイル。


 両腕両腕、更に胴体が横一線に斬られている。



 リバティがよしと頷くと、刀を私に返して再度笑った。



「この死神の傷をレナの霊力で取り消してください。ただし切断した両腕両腕はそのままです」



「傷を取り消すの?どういうつもり?」



「尋問します。ほら早く……でないと死んでしまいます」



 私はとりあえず言われた通りに、マイルの手足を除く全ての傷を取り消した。




「なんで俺が……!人間なんかに……!」



 マイルの第一声がそれだった。


 空を仰ぐように倒れ込み、悔し涙を流している、




 本当に涙を流したいのは、理不尽に殺されて、無理やりこのゲームに参加させられた私たちの方だ。



 私はそんな死神に、苛立ちをぶつけるように声を大にする。



「勝てると思ったんでしょ!?相手が人間だから!?女だから!?子供だから!?だから私達の前に出てきて、参加者として襲ってきたのね!?きっと貴方は、今まで絶対に勝てるゲームしかしてこなかったんでしょ……!?私はね!この変態キチガイ兄貴と、小さい頃から喧嘩ばかりして育ってきたの!だからどんな強い敵や、辛い思いをしても戦えるの!兄妹舐めないで!!」



 指さした変態キチガイ兄貴こと、リバティ・エンフィールド。


 私に言い返すことはせず、倒れたマイルに向けて台詞を吐き捨てた。



「よく聞きなさい死神。君は自分の怠惰に甘えに甘え、そして自身を破滅させ殺したんです。必ず勝てるゲームになんの楽しみがあるんです?私はおかげさまで、この単細胞バカな妹がいたので、まぁ……退屈はしませんでしたね」



 

 私たち兄妹に散々言われたマイルは、ため息を吐きながらボソッと呟いた。



「……ウゼェ。ウゼェウゼェウゼェ……!何が兄妹だくだらない!みんな死ね!死んじまえ!!」



「……あんた、死んでも天国に行けないね絶対に」



 私は見下すようにそう言ったが、マイルは天国という単語を聞くと、大口を開いて笑いコケた。



「ニシシシ!!!バカか!?脳内お花畑か!?天国!?そんなものはねぇ!!」



 自分でゲームの名前に使っていてよく笑えたものだ。



「何笑ってんの!?人は死んで天国に行く!そして新しくどこかで生まれ変わるのよ!」



 輪廻転生という話を聞いたことがある。



 死んであの世に還った後、何度も現世に生まれ変わっていくという話。



 しかしマイルは不気味に笑いながら否定する。



「そんなものはねぇ!死んだらどこにも行かない!色も匂いも何も無い!『無』になるんだ!!」


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