最期の人類
真人類VS人類の勝負!
さあ、どうなる⁈ レディ〜ファイっ!
※この作品は、フィクションです。
僕は、多分地球で最期の人類だ。
昔の地球は青かったって事を、よくおばあちゃんが話してたけど、今はそんな面影すらない。
だって、各国で第三〜五次世界大戦まで戦争が行われて地球はボロボロになってしまったから。
それと僕が地球で最期の人類って話に繋がるかというと、単純な話で僕の両親が最期の男女で通称アダムとイブとかって呼ばれてたんだけど……とと、話が逸れたね。
その2人から産まれちゃったのが僕で、世界でも報道してたみたいなんだけど、どうやら僕が人類最期らしいんだ。
ちなみにこれは歴史で習ったことなんだけど。
今の地球は、戦争の影響で人類がまともに生存できない環境だったが、人類は自身をサイボーグ化してなんとか絶滅を逃れたらしい。これを真人類と呼んだ。
しかし、その中でも身体に機械を取り込むことを恐れた人類もいた。彼らはサイボーグ化を拒否し、現環境下の汚染された空気にやられ、徐々に人数を減らしていった。そうそれが人類だ。
それを憂いた真人類は、人類を保護することを決定した。
がしかし、保護しても彼らはそこから自由を求め脱出することが多く、人類は減少し続けた。
僕は、そんな最期の男女から産まれた本当に最期の人類だ。両親?は、もういない。
彼らは僕を産んで義務を果たしたかのように、脱走して死んでしまったから。
真人類に伝わる人類の記録には、もう動物園の動物はこりごりだ!って言葉も残ってるようだ。
残念ながら、今の地球には動物園なんてないから過去の写真等の資料でしかそれがわからなかったけど。
「おい、飯の時間だ」
そんな事を考えているうちに、昼ご飯の時間になったようだ。
「おい、何をしている?飯はいらないのか?」
「ごめんなさい。ちょっと考え事をしてて、今行きます!」
警備員の言葉に僕は慌てて返事をして、中と外を隔てる檻に近づく。
「気をつけろよ。そこから少しでも外に出たら、瘴気に当てられてお前は死ぬんだからな」
「分かってるよ。警備員さん」
今日はハズレの日だ。警備員さんは日替りで変わるんだけど、この人はいつも不躾で恐いから嫌いだ。
「分かればいいんだ、分かれば。なに、あと数ヶ月もしたらお前にもサイボーグ化が可能となる法律が出来る。それまで、辛抱するんだな」
うん、この警備員は顔が物凄く恐いけど、悪い人ではないんだ。でも、僕は苦手だ。
「うん、分かったよ。じゃあ、今日の昼食ちょうだい。その後は、どうせ医者の検診があるし」
「そうだな。これが昼食だ。では、俺は警備に戻る。くれぐれも、食事を残すなよ」
そう言って警備員は、僕の視界から姿を消す。
この昼食だけど、何故か医者の検診がある日は絶対に不味いのだ。一回だけ、残して検診を受けたけど、猛烈に怒られた。それ以降はどの警備員にも注意されるが、あの人には特に言われている気がする。
僕が産まれてから、瘴気に汚染されない檻の中で生きてきてはや15年。僕もそろそろ、人類を卒業し真人類となる日が近づいてきたようだ。
真人類に保護された人類は、さっき警備員が法律があるがどうたらこうたら言ってたけど、一部がサイボーグ化してまだ生きてる。
その一例が、僕のおばあちゃんだ。おばあちゃんの子供だった僕の父は、脱走して死んじゃったけど。おばあちゃんはサイボーグ化して真人類として生きているのだ。
ただ、人類がサイボーグ化する際には、様々な注意点がある。昔はそれで、無駄に人類が死んでいた時期もあったくらいだ。
時代も進み、科学が進歩し、人類が僕だけとなった今は、過去の法律よりも早く人類を真人類にしても負荷がないようになっている。
だけど、僕はまだ15歳。法律を改正しなければ真人類とはならない。
そんな事を考えていたら、月日が経ち法律改正が施行され、サイボーグ化手術の日、変換の日を迎えた。
――― ――手術室にて―― ―――
「それでは、変換を執り行う。最期の人類へ麻酔を……」
麻酔を打たれた僕は、だんだんとぼやけて白くなる視界を感慨深く思いながら意識を手放した。
――― ――人類の石碑―― ―――
僕が人類であった時の記憶は、ここまでとなる。人類の最期の記憶ここに記す。by最期の人類
最期の人類の記憶が安置された場所に、2人の人影があった。
「いやぁ、結局のところ最期の人類の変換も失敗に終わりましたか」
「なあに、そいつの脳のデータを保存しこうやって記録したのだ。ありがたく思うだろう」
「それにしても、よく人類が真人類に変換できるなんて信じてましたね。彼のおばあちゃんなんて、とうの昔に亡くなってたのに。彼に見せたのは、おばあちゃんの死体を使ったアンドロイドにしか過ぎないのにさ」
「ふん。所詮は人類ってだけのことよ。さて、人類の生体データもより詳しく手に入った事だし、人造人間を製造し次の戦争への準備をするか」
そんな言葉を吐きながら、2人はその場所を後にしたのだった。
えーと、最後まで読んで頂きありがとうございます。
まず、胸糞展開ですみませんでした!
次回は、後味がいいものを!
提供するよう、善処します。