第4章☆三人の男
第4章☆三人の男
デルムントと私がさらに城の奥へ進むと、廊下が二手に別れた。
その手前に灰色の服装の男が三人いて、二人はチェスの対戦、一人はその審判をやっていた。
「弟がいる方へ行きたいの。教えてください」
すると、ノメドの声がした。
「この三人はどちらに進めば良いか知っている。この三人に2回だけ質問して進むことができる。ただし、一人は嘘つきで、一人は本当のことを言い、今一人はきまぐれなことを言う」
私は青ざめた。
不思議の国のアリスに正直者の門番と嘘つきの門番二人が出てきて、その場合の質問は知っているのだけれど、三人というロジックは初めて聞いたのだ。
(ちなみに、二人の門番に尋ねるには、片方に「もう一人の門番はこちらの門が正しいと答えますか?」と尋ね、「はい」だったらあちらの門、「いいえ」だったらこちらの門が正しい)
「まず、きまぐれが誰かある程度絞り混むんだ」
デルムントが言った。
「自分は気まぐれだと思う者、手を上げて」
デルムントの質問に、三人は顔を見合わせてから、チェスの黒い駒の男と審判の男が手を上げた。
「デルムント、無粋なことをするなよ」
ノメドがデルムントの声を出なくしてしまった。
私は、自分でも考えなくちゃいけない!
でも、今の質問で白い駒の男が誰だかわかった。
嘘つきは必ず手を上げるし、気まぐれは上げても上げなくてもいい。そして正直者は必ず手を上げない!
私は、白い駒の男に「どっちに進めば良い?」と聞いた。
白い駒の男は右を指差したので、私とデルムントは、そちらへ進んだ。
「デルムント、声は?」
彼はなんとか声を出そうとしたがでなかった。
「私のせいね。ごめんなさい」
デルムントは、首をぶんぶか横へ振った。
私はデルムントをぎゅっと抱きしめて、きっと何もかも良くして見せると誓った。