序章
オリジナルです
「こいつがマキナか」
地下へと続く洞窟を進んでいくと黒い影が見えた。より近づいてみると二十メートルはあると見える巨人が立っていた。がっしりとした赤い体に黄色い目。まるで鬼のようだ。左手に持っている棍棒は黒く、先端には等間隔に金色の棘がある。
「オマエ、タオス」
呻き声をあげるかのようにしゃべるマキナ。その恐怖を感じる声をものともしない彼。
「いや、お前が倒されるんだ」
そう言い放つと彼は腰の帯に掛けられた鞘から二本の短剣を取り出した。そしてバトルフィールドがつくられていく。彼とマキナは青白い光となって消え、戦闘専用の舞台に転移された。再び青白い光が現れ、人と巨人の姿になる。だがそこはもう洞窟ではない。特別なバトルフィールド、コロセウムである。
「うわあ…すげぇ」
彼は息を飲む。大勢の観衆、割れんばかりの拍手。彼は今、大舞台に立っている。
「さぁ、マキナに挑むのはプレイヤーナンバー1623951、ガイ!」
司会者によって、 自分の名前が読み上げられる。ついにここまできた。こいつを倒せば、ランキングの順位が大幅に上がる。
司会者は声高らかに言う。
「さぁ、ゲームスタート!」