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カルテ695 怪球カマグ(前編) その83

「おっと失敬、童貞パイセン!」


 慌ててミノタウロスはワニのような大きな口にごつい手を押し当てるも、もはや時すでに遅かった。しかしヒュミラは別にとがめだてせず、「いや、構わん。質問しろと言ったのはこっちだしな」と片手をヒラヒラさせた。


「まあ、確かに私は団長業務も秘書業務も、どちらも目の回るような忙しさで、こんな獣臭くてクソ寒い場所で、そこの大型三つ首犬を捕まえて軍籍に戻すという目的はあったものの、ずっと油を売ってる場合じゃないんだが、この後重大な任務が控えているのでやむを得なかったのだ」


「「「そ、そんな状況だとは知りませんでした! じ、自分ごときのためにわざわざ貴重な時間を割いていただき、誠に申し訳ございません、団長殿……」」」


 さっきまで怒鳴っていたケルベロスが、飼い主の前の番犬のごとくたちまち委縮して下を向く。


「重要な任務って、『我々は史上最強の怪物と戦わねばならないんだぞ……』って言ってたやつのことか? あまりにも話が長すぎて、もう忘れかけてたぜ。ふぁ~っ!」


 ケルガーは口が裂けそうなほど大きなあくびを一つして朝を迎えながら、記憶を辿った。そう、新しい任務とやらが、こうやって徹夜で彼女の長話を聞かされることになったそもそものきっかけだったはずだ。あまりにも話が明後日の方向にすっ飛んでいくから、半ば忘れ去っていたが。


「そうだ。敵は強大無比かつ難攻不落なので、いくら魔封剣を携えた私といえども勝てるかどうかは未知数だ。よってこの地で可及的速やかにお前を罪人から元の軍人に更生させる手助けをしつつ、ホーネルの方も捜索し戦力に加える必要があった。何しろお前たち、特に人間にもまだ変化できないホーネルは目立ちすぎるし、このまま三人で遠くに旅に出るには、人目につかぬこの地を拠点として修業してからの必要があったというわけだ」


 ヒュミラは真面目な顔つきで真意を語った。

すみませんが公私ともに色々ありまして、しばらく更新は週一回、金曜日のみとさせていただきます。では!

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