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ライトノベル作家は結婚できないのだろうか?  作者: 間川 零御
2章 シュヴァルツシルト
19/23

湾曲


「姉さんに変なこと言われたんだったら、俺に言えよな。後で叱っとくから」

「あいつを怒れるの?何かの冗談?」

「うっ・・・・」


 今の私に、彼の優しさは口に合う。


「でも、ありがとね」

「え!?」


 彼は私の言葉を予想だにしなかったのだろう。一瞬こちらを向いた顔は驚きに満ちていた。


「心配してくれてありがとう、って言ってるのだけれど。何か文句が?」

「いえ、いえいえいえ。躑躅が『ありがとう』って言った記憶が無かったから」


 私はその言葉を聞いて少しショックを受けた。


「忘れてるの・・・・?」


 声にならない言葉を言った。


「・・・・なんか言った?」

「別に何も言ってないわ」

「そう」


 彼が思い出すにはもう少し時間がかかるのかもしれない。


「なあ、躑躅」

「何?」

「碧ちゃんは?」

「あ・・・・」




「あれ、開かない」


 私が大学から戻ってくると部屋に鍵がかかっていた。入りたいのはやまやまだが、私は鍵を持っていなかった。

 インターホンを鳴らすが反応はない。いつもなら姉がいるので開けてくれるはず。


「どうしよう・・・・」

「お困り?」


 私が困っていると、美人な女性が尋ねてきた。彼女は顔が整っていて女優やモデルのような人だ。いや、そうなのかもしれない。けれども、この人のことをここに来てから一度も見たことはない。


「ええ、まあ・・・・」

「そう。それじゃあ、これが必要ね」


 彼女はそう言うと、鍵を取り出した。その鍵にはクマのキーホルダーが付いている。私たちの部屋の鍵だ。


「ど、どうしてそれを?」

「あなたのお姉さんから預かったの」


 それを聞いて安心した。彼女は姉の知り合いだったんだ。


「あなたの腹違いのお姉さんから」


 それを聞いて不安になった。彼女はただの知り合いではない。この秘密を知っているのは片手で数えられる程度の人数・・・・・。


「姉さんの何を知ってるの?」

「それはどういう意味かな?身長?体重?それとも――――」

「分かったわ。ひとまず、部屋の中に入りましょう。この話はオープンで話せないもの」

「そうだったわね」


 彼女は解っていたかの様に笑みを浮かべた。私はその微笑みに彼女への警戒度を少し引き上げた。


「それじゃあ、鍵を渡してよ」

「はい」


 彼女は鍵を私に向かって投げた。私は落としそうになりつつもキャッチに成功。


「ところで」


 私は鍵を開けつつ彼女に質問をした。


「あなたの名前は?」

「・・・・フフッ」


 彼女は先ほどの様に笑みを浮かべると私の問いに答えた。


「私の名前は、≪志摩野 錫≫十八歳!ぴっちぴちのJKですっ!ヨロシクねっ!」





すみません。この章の最後は来年になります・・・・本当に申し訳ない。

ですが、この物語ではなく、世界の終焉がなんちゃらの方は年内に出しますので(

←無理そうです・・・・・)ご覧になっていただけると有難いです。ではメリークリスマス!(私は一人でクリスマスを過ごします・・・・)

 追記:蒼が蒼になっていたのでなおしました。

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