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ライトノベル作家は結婚できないのだろうか?  作者: 間川 零御
2章 シュヴァルツシルト
15/23

干渉と観照

「あ、出てきました!」

「お・・・・って、ちげーじゃん」


助手席に座っている先輩、《志摩(しま)() (おい)(たけ)≫は言った。


「すみません・・・・」


僕、《潮目(しおめ) (とき)》と先輩は去年に起きた殺人事件について追っている。その死体は焼死体で、死体の身元はまだ断定できないが家の主と見て捜査を進めていた。だが、その捜査はあまり進展していない。まず、その遺体が異常だったためである。焼死体として残っていたのが首以外の部位であった。首が無いということは、被害者は犯人に首を切られその後に死亡した、つまりは殺傷となるかと思っていたが、検査の結果、焼死だった。

検査結果の通りなら、首はどこに行ったのだろう。そんなことを考えていると検視官は話を続けた。「検査の結果、被害者の心臓から火が出たと考えられます・・・・ですが、遺体の損傷が軽いのです」と言った。心臓が火元なら損傷が激しいとそんなこと僕にでも分かる。だが、軽い。さっぱり分からない。


そして、分からないことはその後にたくさん出てきた。付近の聞き込みで怪しい人物が誰ひとり出てこないこと、捜査中に発生する警察同士で発生する車両事故、重大な捜査ミスなど、そうしたものの原因が出てこないのである。

そんな中、被害者は家の主ではないことが分かった。被害者は、その家で働いていただけで、本当の家の主は《卯月 躑躅》なる人物である。そのことが分かったのが昨日のことである。今日は、家の外に出てきたらそのことについて聞く予定である。

わざわざ部屋にいかないのは彼女の人生からである。彼女の経歴を見ると高校生のときに2人も友人を亡くし、先日も人を亡くしているからである。彼女は精神的にだいぶ病んでいると先輩は言った。そして、いままでの警察人生のなかでこういうのは家に行かない方がいいと言った。外に出てくるまで待てと。


そして、張り込みを開始してから1時間。いま出てきた美人な女性しかマンションを出ていない。こんな時間に出ていくのだから仕事に行く人なのだろう。


「それにしても出てきませんねー」

「いいか?張り込みってのはこういうもんだ。どれだけ耐えるかの勝負なんだ」


それから30分。出てくるのは関係ない人ばかり。


「今日は出てこないんじゃ?」


僕は先輩に尋ねる。


「なぜだ。今日は月曜日だから仕事に

「先輩、卯月躑躅は働いてません」

「・・・・・・。」


その後、僕たちは無線で連絡があり、本部に戻ることになった。




本部に戻ると騒がしかった。


「どうした?」


先輩がおどおどしていた人に荒っぽく尋ねる。


「そ、そのぉ」

「何だ!さっさと答えろ!」


先輩の出した大きな声で本部が静まり返った。


「あ、えっと・・・・一条錫という人物は存在しないことがわかりました・・・・」


彼は小さい声で答えた。殺すことが容易な,死にかけの虫の様に。




次は1~2か月後になるかもです。すみません!

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