表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ライトノベル作家は結婚できないのだろうか?  作者: 間川 零御
2章 シュヴァルツシルト
14/23

孤独な人間と自称神様

「遊びに行こう!」


私にはそんな声をかけてくれる友達なんていなかった。でも、それは中学生の時の話。

高校になればそんな友達ができると思ってた。だから家から遠い、私のことを知らない人の多い高校にした。その学校は私の偏差値と同じぐらいだった。まさに『私のための学校』だった。


高校1年の春、私には友達ができた。名前は(はる)。晴は地元の人で学校周辺の色々な場所に連れて行ってくた。


夏、私にはもう一人の友達ができた。名前は緋監(あけみ)。私、晴、緋監の三人で色々な場所に行った。それはとても楽しかった、夏休みの課題を忘れてしまうほどに。


秋、私の友達は一人に戻った。緋監に彼氏ができた。次の日から緋監と遊ぶ相手は彼氏だけになった。


冬、私の友達はいなくなった。晴は死んだ。



高校2年の春、私は学校へ行かなくなった。春休み明けには警察が来て緋監が死んだことを私に告げた。




*               *              *             





「それで今に至る感じね。ただ、詳しくはまだ話せないの」


俺の家に向かう道中、卯月は学校に行かなくなった理由を語ってくれた。


「もう、十分ですよ!なんか、すみません」

「私が勝手にしゃべりだしたのだから貴方が謝る必要はないわ」


彼女は今まで何人もの死を体験してきた。その苦しみはとてつもないものだろう。


「ところで」

「なんですか?」

「なんで敬語なの?」

「・・・・え?」

「私、あなたと同じ年齢よ」

「・・・・え?」


雰囲気からして自分より上かと思っていたので衝撃的だった。


「分かったのならこれからは敬語を使わないで」

「分かりました」

「敬語使ってる」

「あ、すみま・・・ごめん」

「よく出来ました!」


と、こんな感じで俺の家についたのであった。




*              *               *




「面白いわね、あなたのお姉さん」


なぜか俺の姉さんの話で盛り上がっている。盛り上がっているのは卯月だけだが。


「面白くなんかねえよ!俺が死ぬところだったんだぞ!」

「そこが面白いんじゃない」


今は俺が姉さんに殺されかけた話である。


「そろそろ昼食の時間だけど食べてくぅ~?」

「もうそんな時間か・・・・って、姉さん!? どうやってここに!?」


ドアには俺が小屋に閉じ込めておいたはずの姉さんが立っていた。


「あんたはまだまだ甘いのよ。それでどうするの躑躅ちゃん」

「えっと、お邪魔になってしまうので帰ります」

「分かったわ。それじゃあ、躑躅ちゃんの家まで車で送ってあげるわ」


卯月の家まで遠いから車なら楽になるが・・・・


「姉さんの運転、大丈夫なのか?」


俺は姉さんに尋ねた。姉さんの運転を見たことが無かったからだ。


「もちろん平気よ~」

「安全運転で頼むよ。てなわけで、姉さんの車で送ってもらったら?」

「お言葉に甘えさせていただきます」


卯月は姉さんにお礼をして2人は部屋をあとにした。




扉を閉めると私に尋ねてきた。


「それじゃあ、躑躅ちゃん。・・・・・真実を聞きたい?」


自称神様、一条錫が。









次は9月の初めごろになる予定です

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ