NEXT/EXIT
「おはよう」
・・・・ん?
目の前には美人な女の子が立っている。
「おはよう」
俺は反射的に返事をしてしまった。
俺は辺りを見渡すと自分の部屋ではないことを把握して昨日の出来事を思い出した。
確か卯月が寝た後、俺も寝たんだっけ
そんなことを思い出していると、卯月に呼ばれた。呼んだ卯月は悲しみに満ちた顔をしていた。
「ねえ、一条君」
「なんです?」
「・・・・私、ひとりで箱を開けてみたの」
「え?」
昨日は一人で開けることが怖いと言っていたのに変な話だ。
「もちろんとても怖かった。でも、一条君に『友達になろう』って言われたことで開けてみようと思った。・・・変でしょう、でも分かったの。私は他人に悩みを聞いてもらえばよかったのよ。ただ、それだけのことだった」
微笑んで卯月は言う。
「本当に私は馬鹿ね」
俺は起き上がり卯月に顔を向ける。
「ああ、そうだな」
俺も微笑んで答える。
確かに俺はあんなことを言わなくても良かった。だが、それではいけないとという自分もいた。自分でも良くわからない。考えるほどに。・・・・って、あっ!!!!!
「やべえ、泊まっちまったよ!」
つい大声で叫んでしまった。
「何か問題でもあったの?」
「家に連絡入れて無いんだよ!!!」
「そんなことで叫ぶ必要あるかしら?」
首を傾げ卯月が言う。
「必要あるんだよ!姉さんに殺される!」
「え?お姉さんがいたの?」
「ああ。それはそれは恐ろしい姉が・・・って早く行かねえと!もう帰るからな!じゃあな!」
俺はドアに手を掛けて部屋を出ようとすると
「待って」
卯月が呼んだ。俺が振り返ると
「私も連れてって」
「・・・・え?」
こうして俺は次への階段を登るのだった。
今回で第1章は終了となります。次の章の初めに「今」に少しだけ戻ります。
その点に関して今までのお話の編集を一度してから次章へと行きたいと思っているので少し待っていていただけたらと思います。
では。