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12話

本格的な陸戦描写を描きますw

空自戦闘機隊の空戦が圧倒的勝利で終わった頃、鳥栖市及び春日市周辺の陸上自衛隊の戦車・装甲車・歩兵で構成された混成3個師団が集結していた。

大宰府市内に展開する第11戦車師団第2中隊

「目標は依然、南下中か・・・・・・おい山本、射撃準備は出来てるな?」

「はい、いつでもご指示を!」「バカ、山本、まだ早いぞ!!」

射撃手である山本陸曹が指示を仰ぐと、運転手の大宮3尉が反応した。

「二人とも元気が良いな!はっはっはっ・・・・・・」

第2戦車中隊の指揮官である木下3佐が10式戦車の車長席で笑った。

因みに第11戦車師団は陸上自衛隊最強の呼び名を持つ戦車師団であり、渾名は士魂部隊といい、1940年に満州で設営され、占守島防衛の為に奮戦し、壊滅的打撃を蒙った帝国陸軍第11戦車師団の伝統を引き継ぎ、冷戦時代に旧ソ連の北海道侵略に備えていた最精鋭部隊である。

『こちら、か01、春日市より大宰府市内に敵機甲部隊が進入中!』

「来たか・・・・・・各車、戦闘準備、行くぞ(パンツァー・フォー)!」

さっきまで笑っていた木下3佐はタコフォンに向けてそう叫んだ。

北部九州戦争に合わせて第11師団付となった熊本航空隊所属の陸上自衛隊の誇る観測ヘリOH-1(ニンジャ)からの報告が入るや否や、第11師団所属の10式(鋼鉄)90式()74式の各戦車(猛獣達)戦車用の砲塔(105㎜砲)を装備した総輪装甲車(15式機動戦闘車)が大地を蹴って進撃を開始した。

陸上自衛隊の基本的なドクトリン(軍事戦略)は専守防衛故に待ち伏せによる奇襲・遭遇戦が基本であり、今回もそれを目指していた。

『か01より各隊に目標の場所を転送する!!』

OH-1の観測員・蟹本陸曹長がそう言うと韓国軍の進撃状況が戦車隊長以下が登乗する10式戦車のディスプレー(地図表示盤)に表示された。


「来やがったな・・・・・・目標との距離は?」

木下は往年のドイツ軍戦車乗りの如く砲塔上のハッチから身を乗り出し、射撃手であり、地図表示盤を睨んでいた山本に訊いた。

『はっ、目標との距離は10㎞!敵は6㎞先にいます!』

「そうか・・・・・・各車、射撃用意(スタンバイ)!」

『2号車了解』「5号車了解!」『6号車了解!』『9号車了解!』

「各車、状況開始!!」


相対距離4㎞、韓国軍のK-2(黒豹)が砲撃を開始すると木下の10式戦車がK-2(黒豹)戦車に狙いを定めた。

「敵さんが砲撃を開始したか・・・・・・各車、砲撃(オープン)開始(ファイアリング)!!」

木下の号令の元、彼の乗る10式戦車が砲撃を開始すると、それに続く様に9台の10式戦車が砲撃を開始した。

距離3㎞、90式も砲撃に加わり、2㎞で74式と15式も加勢した。

日本側は数では劣るが、戦術や地の利で勝り、10式の圧倒的な火力を用いてK-2を撃破したが、日本側は10式は1両が損傷した程度に留まった。

暴風戦車(T-62の様な戦車)は旧式すぎた故に74式や90式の集中砲火によって殆どがミンチにされ、一方的に撃破されたのである。

だが、15式機動戦闘車も5両撃破され、隊員9名が戦死したが、日本側の普通科(歩兵隊)は被害を受けずに済んだのである。


だが、一進一退の攻防が続き、25日には韓国軍の中国製戦車99式戦車を投入、日本側に対して容赦ない攻撃を加え96式装輪装甲車や軽装甲機動車に乗る普通科隊員たちを車両諸共破壊し、多くの隊員たちが戦死した。

「張大佐、これで先日の戦車戦で戦死した戦友の敵討が出来ましたね」

金少佐がそう言うと張大佐がニヤリとほほ笑んだ。

「あぁ、これで憎っき日帝(倭奴)を屈服させられるな・・・・・・」

彼がそう呟いた直後、臨時駐屯地司令部から爆音が聞こえてきたのである。

「こちら第25戦車隊、指揮官車、司令部応答せよ!司令部応答せよ!」

張大佐がそう言った次の瞬間、上空を3機のF-15戦闘機(イーグル)に護衛された機体上部と側面が陸上迷彩色に塗装し、主翼と胴体に自衛隊所属(日本のラウンデル)である日の丸を描いた大型輸送機が5機旋回していくのが見えたのである。

「な、何だあれは・・・・・・」

彼がそう呟いたのも無理は無い、その航空機とは航空自衛隊が開発した最新鋭火力支援用航空機、A/C―2屠龍Ⅱであったのだ。

「こちらストリーム1、敵司令部となっていた旧市庁舎の破壊を確認した!・・・・・・これより基地(Return)への(To)帰還(Bese)を申請する!」

『了解、ストリーム隊、基地への帰還(RTB)を許可する!』

管制官がそう言うとストリーム隊は悠然と長崎空港へ引き揚げていった。


地上の韓国軍は司令部要員の多くが先ほどの攻撃で人事不詳もしくは戦死となり、最高位の将兵であった張大佐が臨時指揮官となっていた。


翌日、彼の戦車隊は日本側の戦車・装甲車隊と交戦し、彼が戦死し、部隊が壊滅するまでに90式及び74式戦車を合わせて5両に加え、15式機動戦闘車7両、96式装甲車を15両撃破したのである。

登場兵器

15式機動戦闘車

現在、陸上自衛隊が開発中の機動戦闘車がモデル

105㎜砲を搭載し、10式戦車に対するハイ・ローミックスのローを担う次世代戦闘車で、装輪車であるが故に本格的な対戦車能力には欠けるが、似た様な車両や兵員輸送車等を撃破するには十分な能力を有する。


A/C-2屠龍Ⅱ

航空自衛隊所属の火力支援用航空機、和製A/C-130とも言える空飛ぶ砲兵とも言える攻撃機

絶対的制空権を確保した状況以外では運用不能な機体であり、部品もモジュール化されており、C-2輸送機にすぐに戻す事が可能な高性能機

武装

50口径84㎜迫撃砲1基(尾部)、30㎜チェーンガン2基(左右1基)

25㎜5連装機関砲1基(機首)、ヘルファイア対地誘導弾8発(外翼下)

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