10話
隠岐諸島奪還までの時系列と新たな空戦@日本海上空の始まり
大規模空襲が終わった数時間後、強襲揚陸艦いずと戦車揚陸艦くにさきから90式戦車を中心に合わせて30台ほどの車両が揚陸され、沖合数㎞まで近づいた護衛艦すずなみが艦砲射撃を加え、上陸を援護していた。
だが、14時30分ごろにすずなみに悲劇が襲う事になる。
韓国軍の歩兵が持った5㎞の射程を有する対戦車ミサイル、そのミサイルがすずなみに向けて放たれたのである。
20秒後にはすずなみの艦橋に同ミサイルが直撃、多くの航海士や操舵手らが爆死し、海図も焼けてしまい、前部主砲射撃管制装置も機能停止に陥った。
更に混乱の中、すずなみにもう1発同じミサイルが格納庫外壁を貫通、格納庫に搭載していたSH-60に直撃したのと同時に炸裂し、その衝撃で後部CIWSや射撃指揮装置を破壊し、空中へ吹き飛ばした。
更にすずなみは命辛々舞鶴に向けて離脱し、うみぎりに曳航されていった。
今回の作戦で陸自は15両の各種車両を喪失し、海自はすずなみ大破したが、かがの巡航ミサイルのお蔭で対空陣地は多くが破壊されており、空自は特に被害を出す事は無かった。
そして陸上自衛隊の奮戦もあって16日には制圧。
国際法に無知で、捕虜になる事を良しとしない旧北朝鮮系の将兵は司令部要員を含めて、全員が戦死したと言う。
8月20日、小松基地
この日、ブービーこと村島春雄3尉が所属する第302戦闘飛行隊第3小隊は即応迎撃小隊の2機のF-15で日本海上空におけるCAP任務に当たっていた。
「嫌な予感がするな・・・・・・」
小隊長の市原1尉が無線に向けてそう呟いたとき、ここ数日間ずっと小松基地に展開している早期警戒管制機であるE-767から連絡が入ったのである。
『AWACSよりフレーム1及び2、たった今、敵機を探知した!!機種はF-56、F-4EK戦闘機7、Mig-23戦闘機3、Mig-29戦闘機4、既に基地に応援は呼んだ、わかっていると思うが交戦許可は戦時規定に代わっている、だから安心して先制攻撃を加えろ!!』
「・・・・・・フレーム1、了解!!」『フレーム2了解!』
数秒後、2機の改修型F-15Jは各1発、計2発のAAM-4Cを放った。
「フレーム1、フォックス1!!」
市原機の放ったAAM-4はMig-29の方へ向かい、僚機である村島3尉の放ったAAM-4はMig-23の方へ向かった。
市原の放ったAAM-4に狙われたMig-29は妨害用アルミ箔を放ってAAM-4を回避するが、次の瞬間、もう狙われていたMig-29の後ろにいたMig-23に命中し、Mig-23は砕け散った。
「くそ外したか!でもMig-23を落とせたから良しとしよう」
市原がそう呟きながら再びAAM-4の発射をスイッチを押したのである。
一方、村島3尉の放ったAAM-4はMig-23隊の隊長機に命中し、攻撃部隊を一時的に混乱に陥れた。
「もういっちょいくぞ!!村島!!」『了解、隊長!!』
市原がAAM-4を発射したのを見て、村島は再びトリガーにトリガーを絞り、コックピットの前に装備されたHUDで視程外の目標がいるであろう空域にに狙いを定める。
「フレーム2!!フォックス1!!」
村島がそう言うとAAM-4が目標に向けて飛翔する。
・・・・・・・20秒後、市原のAAM-4はMig-29にもMig-23にも命中する事は無く、途中で自爆したが、それから更に10秒後、村島の放ったAAM-4がMig-29に直撃し、2機目の撃墜を記録した。
『村島、格闘戦に持ち込むぞ、わかっていると思うが、レーダーをドッグファイトモードにして格闘戦に持ち込むぞ!』
「了解!!格闘戦モードに変更します!!・・・・・・来ました、ターゲットロック!!フォックス2!!」
村島は格闘戦モードに切り替えると即座に彼の乗機から距離20(㎞)、右70度の角度にいたMig-29に向けてAAM-5を放ち、続け様にMig-23に対してAAM-5を撃ち込んだ。
村島は見事にMigとの空戦で勝利を収め、護衛を喪失した敵は戦術的退却をし、村島と市原は基地へ帰還した。
ブービーはドイツ空軍の某撃墜王に由来
若手の大物が使うTACネームという事でw




