8話
隠岐諸島の戦いは9、10話に続きます
F―15Eは戦争終了後に返却予定
(可能性によっては空自が今後も使う可能性あり)
2017年8月13日、早朝
朝日が照らし、煌めく日本海の上空を石川県の小松基地から飛び立った合計32機の軍用航空機が飛翔していた。
その内、16機は目的は韓国軍によって占領され、要塞化された島根県隠岐諸島の奪還、その前に行う近接航空支援を行う16機のF-15Eであり、攻撃部隊は半数ずつに分かれて地中貫通爆弾による地下要塞部分の破壊を担当する隊長以下の部隊と、地上に対する爆撃を担当しJDAMことJoint Direct Attack munitionを搭載している副隊長以下の部隊で構成されている。
ちなみに対空装備として短射程で、主に格闘戦や自衛用に使われるAIM―9X
そして残りの16機は各8機のF―15及びF-2戦闘機からなり、この部隊は三沢や千歳、小松の3つの基地から集め、長距離空対空誘導弾を装備し、F―15Eに迫る敵戦闘機を排除する事にある。
F―15Eを率いるのは野上吾郎2佐で、攻撃隊のコールサインはスキッパーで、2つの戦闘機隊の内、笹倉順也3佐率いるF―15隊はガーディアン、坂田真三1尉率いるF-2隊はフェニックスである。
『スノークラウドよりガーディアン及びフェニックス、敵戦闘機の機種と数が判明した、敵は約32機、その内、8機はMig-29、残りはF-50だ、厄介なのはMig-29だ、知っていると思うが高性能空対空誘導弾R-77が発射可能だから先に叩け!!』
『了解した、フェニックス隊これより戦闘態勢に入る!』
『ガーディアン1より各機、理解したな?これより戦闘態勢に入る!』
坂田1尉が射撃管制レーダーを捜索モードから空対空戦闘モードに切り替えると操縦桿の長距離ミサイル用トリガーを握った。
同様に笹倉3佐もF―15が搭載する射撃統制レーダーを捜索モードから長距離空対空戦闘モードへ切り替えた。
「ターゲット捕捉・・・・・・フェニックス1!!フォックス1!!」
坂田がそう通信に向けて叫ぶと彼と彼の僚機2機も次々にAAM-4を放つ。
少し遅れてから笹倉3佐のF―15と彼の僚機2機もAAM-4を放つ。
最初に放った6発のAAM-4の内、4発がMig―29に炸裂するとMig-29はコントロールを失い紺碧の日本海へ落下する。
「こちらガーディアン1、8機のMigの内、4機を撃墜す!!」
戦闘機隊を率いる笹倉3佐がE-767AWACSに報告する。
『スノークラウド了解、敵機のミサイルレンジに入った、注意しろ!』
「ガーディアン1、了解!」「フェニックス1、了解!」
暫くすると残ったMig―29が一斉にR―77を放ち、すぐにそれをF-15やF-2の射撃統制レーダーが感知する。
「フェニックス1よりフェニックス、ガーディアンの各機、R-77はジャミングをした場合、ジャミング源に向け飛翔する特徴がある、合図の後に一斉に散開するぞ!!・・・・・・散開!!」
坂田はR-77の特性であるジャミング源に向けて飛翔する特徴を持つ事を僚機に伝え、回避に専念するように命じた。
「各機、俺が合図したらチャフを放ち、一斉に散開しろ!」
坂田はある名案を思い付いた、そう、彼は4機1単位の小隊でチャフを放ち巨大なスクリーンゴーストを形成し、敵のミサイルをそちらへ向かわせる一方、その前にMig-29にAAM-4を放つ。
「10、9、8、7、6・・・・・散開!!」
Mig-29の放ったR-77は目標であるF-15やF-2に迫るが、日本側はチャフを4機単位で1つのスクリーンゴーストを形成し、回避の為の機動に移っており、空中には前述のチャフが大量に漂っている。
坂田の思惑通り、R-77はチャフの幻影に騙され、4発全てが明後日の方角へ向けて飛んで行ってしまい、成果を上げる事が出来なかった。
それに対しMig-29に向け放たれたAAM-4は電波妨害や電波妨害用金属片をもろともせずに目標へ向かう。
『AWACSよりガーディアン及びフェニックス隊、目標4機全機の撃墜を確認した!残った敵戦闘機隊は多くが遁走している、深追いはするな!』
「フェニックス1、了解!」『ガーディアン1、了解!』
坂田と笹倉がそう言うと空戦は一時的に終結した。
だが、もう島まで数㎞の所へ迫っていた。
因みにE-767早期警戒機の呼び出し符号スノークラウドはお分かりだと思いますが英語で雪雲と言う意味です。




