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嗚呼、愛しの我が星よ

「つまり……どゆこと?」

 隆太は目の前に座っているメガネの男に尋ねる。

「だからここはお前が住んでいた世界とは違う世界なんだと言っておるではないか。ものわかりの悪い奴だな」

 このメガネは何を言っているんだろうか? 違う世界。メガネが言うには俺は今そこにいるらしい。

「そ、そんなわけあるかよ! ありえねーだろ! そもそも違う世界とかなに!? アリエールもビックリだよ! 驚きの白さだよ!」

 もう軽くパニックだ。

「あるものは仕方なかろうが。少し落ち着いたらどうだ」

「だからないって言ってんじゃん! っつか、なんで俺はここにいるんだよ!」

「それは……実はまだ解明されていないんだ。要するに偶然だな」

 何……だと……?

 あいた口がふさがらない。俺は今どれほどのマヌケな顔をしているのだろうか。でも仕方ない。

 だって来るのが偶然ってことは、帰る方法も偶然ってことだろ?

 嗚呼、愛しの我が星よ……。



 俺と例のオオカミは時折木の実を拾いながら森の中を歩いていた。だいぶ木の実を拾ったと思う。食えるかわからないけど。

 と、突然オオカミの様子がおかしくなった。まるで何かの気配を感じとったかのようにうなり始めた。

 もしかして、熊か何かがいるっていうのか!? 

 きょろきょろとあたりを見てみたが、わからない。

 不意にポキっと小枝の折れる音がした。

 慎重にその方角を見つめる。てか見つめてどうする俺。

 すると突然 トントン、と肩を何かに叩かれた。

 「ぎゃああああああああああ! でたああああああああああああああ!」

 思わず叫んでしまった。

「あぁ、やっぱり。達也さんだ。」 件の生物はそういった。

「まだ生まれて15年、死ぬのは嫌あああああ…って、あれ?」

 くまがしゃべった? じゃなくて人? なんで俺の名を?

 恐る恐る振り返ってっ見た

 そこには14~15才ぐらいの小柄で可憐な少女がいた。髪は紅くてショート、目は少し垂れ目気味で瞳の色は髪と合わせたかのように赤かった。そして、すごいかわいかった。少なくとも今まで見たことのある女の子の中でも、一番かわいかった。

「タツヤ……です」

「あぁ~よかった~。人違いだったらどうしようかと思いましたよ」

 彼女は笑いながら俺の肩をたたく。   いや、ちょっと待て。

「あ、ウルフもいる! こんなに小っさかったんですね~! かわいい~!」

 今度は俺の横でうなっていたオオカミ、否、ウルフを持ち上げモフモフしようとする。

 このオオカミがウルフ?

 ウルフは彼女の腕の中から脱出しようともがいてる。

 俺の知り合いにはこんなかわいい子はいなかった。

「君と俺ってどこかで会ったことあるのかな?」

 一応聞いてみた。すると彼女は

「私はあるけど達也さんは今回が初めてだよ」

 ……へ?

「あの……どゆこと?」

「だから未来の達也さんが昔の私に会ってるんですよ」

「お、おう!」

 なんだかよくわからない達也であった。





 俺と女の子とウルフは飛行機の中に入って行った。

 そこで色々なことをその女の子に聞かせてもらった。今までに分かったことは女の子の名前がナノということ、ここが俺の住んでいた地球ではないということ、それとここの人から見た地球人は「カガク」という名の魔法を使うとされている伝説上の生き物であるということ、あとこれからしばらくしたら俺は時代と世界を超えてナノに会うらしい。だからナノは俺のことを知っているのだという。

 ということは俺、帰れるってことでしょ!?

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