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第34話 世界とつなぎ手の境界が溶けるとき

総集編もあるので、テンポよく読みたいかたはそちらがおすすめです。

恒一の指先が“物語の核”に触れた瞬間、

 世界は光に飲み込まれた。


白でも黒でもない。

 色という概念すら存在しない光。


その光の中で、

 恒一の身体はゆっくりと溶けていくように見えた。


だが――

 その瞳だけは、確かに“恒一”のままだった。


◆世界とつなぎ手の境界が消える

光の中で、恒一は“世界の声”を聞いた。


――つなぎ手よ。

――おまえは“個”でありながら“世界”となる。

――境界を越えよ。


恒一の胸の光が、

 物語の核と同じリズムで脈動し始める。


リオが叫ぶ。


「恒一さん!!

 戻ってきてください!!

 消えないでください!!」


だが声は光に吸い込まれ、

 恒一には届かない。


エイルは涙をこぼしながら祈るように呟く。


「恒一さん……

 あなたは……あなたのままで……!」


影は震えながら叫んだ。


「恒一!!

 お前は……俺の“終わり”だろ!!

 勝手に消えるな!!」


残響は静かに目を閉じた。


「……恒一。

 お前は“第五の終わり”を選んだんだな。」


◆物語を壊す者の恐怖

物語を壊す者は、

 光の中で後ずさった。


黒い筆が震え、

 その輪郭が崩れ始める。


――つなぎ手……

――おまえは……

――“物語そのもの”になる気か……


「なるよ。」


恒一の声が、

 光の中心から響いた。


その声は、

 恒一であり、

 世界であり、

 物語そのものだった。


「俺は消えない。

 俺は“世界と一緒に進む”。

 終わりを抱えて、

 物語をつなぎながら。」


物語を壊す者は叫ぶ。


――それは“呪い”だ!!

――物語に囚われるだけだ!!


「違う。」


恒一の声は静かだった。


「物語は呪いじゃない。

 誰かと繋がるための道だ。

 俺はその道を選んだ。」


◆つなぎ手の変化

光が収束し、

 恒一の姿がゆっくりと戻ってくる。


だが――

 その背後には、

 無数の“物語の線”が揺れていた。


リオが息を呑む。


「恒一さん……

 背中に……物語が……!」


エイルは震える声で言った。


「……恒一さんは……

 “世界と繋がった”のです……

 つなぎ手として……

 新しい段階へ……!」


影は目を見開いた。


「恒一……

 お前……

 “世界の物語”を背負ってるのか……?」


恒一は微笑んだ。


「背負ってるんじゃない。

 “繋がってる”だけだよ。」


◆物語を壊す者の正体

光が完全に消えたとき、

 物語を壊す者は膝をついていた。


黒い筆は砕け、

 その身体は“描きかけの線”に戻っていく。


恒一は静かに言った。


「……お前は、誰なんだ?」


物語を壊す者は、

 初めて“人間のような声”で答えた。


「私は……

 “物語になれなかった存在”だ。」


リオが息を呑む。


「物語になれなかった……?」


「そうだ。

 私は……

 “名前を与えられなかった登場人物”。

 物語の主に描かれず、

 影にもなれず、

 ただ……“外側”に捨てられた存在。」


エイルは震えた。


「……だから……

 物語を憎んでいたのですね……」


物語を壊す者は、

 崩れかけた顔で微笑んだ。


「物語は……残酷だ。

 選ばれた者だけが存在できる。

 私は……存在すら許されなかった。」


恒一は一歩近づいた。


「……お前も、物語の一部になれる。」


物語を壊す者は目を見開いた。


「……なれる……?

 私が……?」


「なれるさ。

 俺が“つなぐ”。

 お前の物語も。」


◆つなぎ手の手

恒一は手を差し出した。


「お前の名前を……

 俺がつける。」


物語を壊す者は震えた。


「名前……

 私に……?」


「そうだ。

 お前は“物語になれなかった存在”じゃない。

 今から――

 物語になる。」


光が物語を壊す者を包み、

 その輪郭がゆっくりと整っていく。


影が呟いた。


「恒一……

 お前……

 世界だけじゃなく……

 “存在そのもの”をつなぐ気か……?」


恒一は微笑んだ。


「つなぎ手だからな。」

面白かったらブックマークと高評価お願いします。また、noteにて紹介動画等を投稿中ですので、ぜひご覧ください。

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