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ep.191 おいしくな~れ
炙ったサワリアにユスポンザをかけると、爽やかな香りが広場いっぱいに広がった。子どもたちは「すっぱくて美味しい!」と笑い、職人たちは鍋のマディアシチューを分け合う。湯気の中で根菜が柔らかく崩れ、魚の旨みが染み込んだスープに人々の顔がほころんだ。
「この街も、ずいぶん賑やかになったな」冒険者が杯を掲げる。 「工房をもっと広げたい。春の芽吹きに合わせて、新しい細工を作るんだ」職人が夢を語る。 巫女は静かに祈りを捧げ、「春は神の導きの季節」と言葉を添えた。
焚き火のそばで、旅商人が笑う。「資材はまだまだ運び込める。次はもっと大きな祭りになるだろう」 その言葉に、人々は未来を思い描きながら魚を頬張った。
子どもたちの笑い声が夜空に響き、街の人々は料理を囲みながら語り合う。誰もが「この街はまだ始まりにすぎない」と感じていた。食卓の温もりが、次の物語への橋渡しとなる。




