ep.185 面白くなりそうだ
ep.175「灰と火花、街角のふたり」
(白露&ネイヴ登場回・導入草案)
その街は、灰色の石畳と赤茶けた屋根が連なる、古い交易都市だった。 朝の鐘が鳴る頃、まだ人通りの少ない裏通りに、ふたりの姿があった。
「……また、あんた勝手に掃除してたでしょ」 ネイヴが肩をすくめながら言う。
「汚れていたから当然です。誰もやらないなら、私がやるしかないでしょう」 白露は手にした箒をぴたりと止め、冷たく言い返した。
「はーいはい、ご立派ご立派。……で、今日こそ来るんだろ? あの“旅団”とやらが」
「来るでしょうね。予定通りなら、今朝には峠を越えているはずです」
白露は箒を立てかけ、エプロンの裾を整えた。 その動きは無駄がなく、どこか軍人のような規律すら感じさせた。
「……あんた、また“冷たく”出迎える気?」 ネイヴがにやりと笑う。
「当然です。甘やかす理由がありません」 白露はきっぱりと言い切った。
「……ま、あんたがそういうなら、俺は好きにやるけどな」 ネイヴは腰の工具袋を軽く叩き、街の通りを見渡した。
「さて、火花の準備でもしておくか。……面白くなりそうだ」




