ep.167 第四幕:祝舞のひかり
キズナの舞が終わると、広場の空気がふっと軽くなった。 まるで、心の奥にあった小さな曇りが、そっと晴れたように。
そのとき──
ぱんっ!
乾いた音とともに、空に花びらが舞い上がる。 舞台の奥から、色とりどりの衣をまとった踊り子たちが、次々に現れた。
オーロラ──虹のような光をまとい、くるりと回るたびに衣が七色にきらめく。 エミリア──花の冠をかぶり、足元には小さな花びらが舞い散る。 セレーネ──月のように静かで優雅な動き。銀の鈴が、夜の音を奏でる。 ジゼル──星のように軽やかに跳ね、観客の笑顔を引き出す。 風花──風とともに舞い、広場に春の香りを運ぶ。
五人の踊り子たちは、まるで自然の精霊のように、 祝祭の空間を自由に、のびのびと舞いながら駆け抜けていく。
「わあっ……!」 子どもたちが声を上げ、大人たちも思わず笑顔になる。 踊り子たちはその声に応えるように、くるりと回って手を振る。 そのたびに、光の粒が空に舞い上がり、まるで昼間の星のようにきらめいた。
ジゼルがくすっと笑って、観客の前で小さなステップを踏む。 セレーネがその隣で、そっと手を差し出す。 エミリアが花を一輪、子どもに手渡し、 オーロラが空を見上げて、両手を広げる。
「さあ、笑って──今日は、あなたの心も祝う日だから!」
その声に、広場がぱっと明るくなる。 風花が最後に舞台の中央で一回転し、風を巻き起こすと、 花びらと光が渦を巻いて、空へと昇っていった。




