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ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
4章~巫女の祝祭~

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ep.166 第三幕:結びの舞

灯がともり、広場がやわらかな光に包まれる中、  ひとりの巫女が、静かに歩み出た。


キズナ。  白と紅の装束に身を包み、胸元には小さな結び紐の飾り。  その姿は、まるで人と人の想いを結ぶ“糸”そのもののようだった。


彼女は広場の中央に立つと、そっと目を閉じ、両手を胸の前で合わせる。  そして、静かに語りかけるように──


「この日を迎えられたこと、  この場所で出会えたこと、  そして、今ここに共に在ること。  それは、奇跡ではなく、結びの力です」


その声は、まるで心の奥に直接届くような、やさしい響きだった。  キズナは、ゆっくりと舞い始める。  その動きは、糸を紡ぐように、輪を描くように、  広場の空気をひとつにまとめていく。


観客の中にいた子どもが、そっと手をつなぐ。  隣の人も、またその隣の人も。  気づけば、広場のあちこちで手と手がつながり、  まるで見えない糸が、皆をやさしく包み込んでいた。


キズナの舞が終わると、風がふわりと吹き、  空からひとひらの花びらが舞い降りた。


それは、風音が呼び、咲姫が舞い、果林が言葉を紡ぎ、  うささまが鐘を鳴らしたこの祝祭に、  「心の結び」が加わった証のようだった。

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