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ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
4章~巫女の祝祭~

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ep.165 第二幕:祝主の登壇

朝の光が、社の屋根をやわらかく照らし始めた。  風音の清めの舞が終わると、広場の空気がふわりと変わる。  まるで、空そのものが息をひそめ、次の瞬間を待っているかのように。


その静寂を破るように、咲姫が一歩、前へと進み出た。  薄桃の衣が風に揺れ、手にした鈴が、かすかに音を立てる。


「この地に、光が満ちることを──  この日を迎えられたことを、心より感謝いたします」


咲姫の声は、澄んだ朝の空に吸い込まれるように響いた。  彼女はそっと目を閉じ、両手を広げる。  そして、舞う。  風音が呼び起こした風に身を任せ、咲姫の舞はまるで花びらのように軽やかに、優雅に空間を彩っていく。


舞が終わると、今度は果林が進み出た。  彼女は巻物を広げ、静かに読み上げる。


「この地に集いし者たちよ。  今日という日は、ただの節目ではありません。  これは、私たちが共に歩んできた証。  そして、これからも共に在るという、誓いの日です──」


その言葉に、広場の人々が静かにうなずく。  誰もが、胸の奥に小さな灯をともされたような表情を浮かべていた。


そして、最後にうささまが、ころころとした足取りで壇上に現れる。  金の鈴が、陽の光を受けてきらりと光った。


「みんな~!今日も来てくれてありがとぴょん!  さあ、祝祭の鐘を鳴らすぴょんよ~!」


うささまが鈴を高く掲げると、  ──しゃらん、しゃらん、しゃらん……!


その音が響いた瞬間、広場のあちこちで灯がともり始めた。  それはまるで、空気に浮かぶ光の花が、ひとつ、またひとつと咲いていくようだった。

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