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ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
3章~ものづくり~

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ep.161 旅の道標

夕暮れの街を抜けて、ラディたちはギルドへ戻ってきた。 扉を開けると、カウンターの奥で帳簿をまとめていた鈴蘭が顔を上げた。


「おかえりなさい。お疲れさまでした」 「ただいま戻りましたー!」 ラディが元気よく手を振る。


「“月灯”の工房、どうでしたか?」 鈴蘭が微笑む。


「すごく……静かで、きれいな場所でした」 リンダが、少し夢見心地で答える。


「昨日の鍛冶場とは、まるで正反対だったな」 ルークが笑いながら言うと、セシルがうなずいた。 「うん、でもどっちもすごかった。火の音も、糸の音も、全部“ものづくり”なんだなって」


「ビーズが逃げてさ、大変だったよ~」 セシルが照れ笑いすると、ジョナサンがそっと付け加える。 「でも、あの静けさの中で作業するの、なんだか心が整う感じがした」


「それは、きっと“月灯”の職人たちの気配りが伝わったからですね」 鈴蘭が、やわらかく言った。


「気配り……」 ラディがつぶやく。


「火の工房では、力強さと集中力が求められました。 でも“月灯”では、静けさの中で、相手の気持ちを感じ取る力が大切になる。 どちらも、職人の“心”が形になる場所です」


「……なるほど」 ラディは、少しだけ背筋を伸ばした。


「どっちも違って、どっちもすごい。 でも、どっちも“誰かのために作ってる”って感じがしたよ」


「その気づきが、きっとあなたたちの旅を豊かにしてくれます」 鈴蘭は、そっと帳簿を閉じた。


「今日は、ゆっくり休んでくださいね。 明日も、また新しい出会いがあるかもしれませんから」


「はいっ!」 ラディたちは声をそろえてうなずいた。


こうして、ラディ隊の“静かな一日”は幕を閉じた。 火と光、二つの工房で得たものは、 きっとこれからの旅の道しるべになるだろう。

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