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ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
3章~ものづくり~

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ep.159 やわらかな風

作業が始まってしばらく。 ラディたちは、それぞれの持ち場で静かに動いていた。


セシルは、美甘の隣でビーズの仕分けを手伝っていた。 小さな木の実のようなビーズを、色ごとに分けていく作業。


「……あっ」 セシルの指先から、ひと粒のビーズが転がり落ちた。


コロコロコロ…… 床を転がって、作業台の下へ。


「ご、ごめんなさいっ!」 慌ててしゃがみ込むセシル。


すると、美甘がくすっと笑って、 「逃げ足の速い子ね」と言いながら、 細い指で器用にビーズを拾い上げた。


「音でわかるの。転がる音で、どこに行ったか」 「えっ、すごい……!」 「ふふ、慣れよ。あと、落とすのも含めて、作業のうち」


セシルは少し照れながら、でも嬉しそうにうなずいた。


一方その頃、ルークはフィーナのガラス細工の梱包を手伝っていた。 透明なガラスに、淡い色がにじむように入っていて、 まるで飴細工のように見えた。


「……これ、食べられそうだな」 思わずつぶやいたその瞬間――


「食べないで」 フィーナが真顔で言った。


「えっ、いや、食べないけど!?」 「前にもいたの。展示会で、かじろうとした人」 「マジで!?」


「マジで」 「……気をつけます」


フィーナはふっと笑った。 「でも、そう思ってもらえるのは、ちょっと嬉しいかも」


静かな工房の中に、 小さな笑い声が、そっと灯る。


火の工房では聞こえなかった、 やわらかな音が、ここにはあった。

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