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ひげがゆれるとき  作者: ねこちぁん
第二幕~1章

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ep.138 崩れた橋と決断

雨が続いた翌朝、隊商は川沿いの道に差しかかった。 だが、渡るはずの橋は無惨に崩れ落ちていた。


アレクセイは眉をひそめる。 「……これでは渡れない。回り道をするしかないか」


紗代は地図を広げ、震える声で言った。 「回り道だと……三日は余計にかかります」


バンデが豪快に笑う。 「橋ごと担いで渡るか? ははは!」


ぽぷらんが肩をすくめる。 「いやいや、それじゃ川に落ちるって!」


ドワーフのシュミットが崩れた橋を見て、真剣な顔をした。 「補強すれば渡れるかもしれん。ただし時間はかかる」


アリシアは雨雲を見上げ、静かに言う。 「天候次第ね。魔法で補助はできるけれど、完全には防げない」


エマは川の流れをじっと見つめ、低くつぶやいた。 「……危険だ。渡るなら慎重に」


アレクセイは仲間を見渡し、深く息をついた。 「時間を取るか、危険を取るか……選ばなければならないな」


紗代は胸の奥で思った。 商人の旅は、ただ荷を運ぶだけじゃない。決断の連続なんだ……



崩れた橋の前で、仲間たちは立ち尽くしていた。 アレクセイが静かに言う。 「回り道をすれば確かに安全だ。だが……後から通る人はどうする?」


紗代ははっとして橋を見つめた。 「……そうですよね。私たちだけじゃない。ここを通る人のためにも、直していかないと」


ドワーフのルドルフが槌を握りしめ、力強くうなずいた。 「任せろ。俺たちの技術で補強すれば、渡れる橋になる」


シュミットが寸法を測り、タラントが材木を組み合わせる。 バンデは豪快に材を運び、ぽぷらんは軽快に手伝いながら歌を口ずさむ。 アリシアは魔法で木材を乾かし、エマは周囲を警戒して矢を番えた。


紗代は縄を結びながら、必死に手を動かした。 「私も……できることをやります!」


やがて、崩れた橋は少しずつ形を取り戻していった。 雨に濡れた木材が組み合わされ、仲間の力で一本の道が再び繋がる。


アレクセイは完成した橋を見上げ、深く息をついた。 「これで、俺たちも渡れるし……後から来る者も助かる」


紗代は胸の奥で温かさを感じた。 商人の旅は、自分だけのものじゃない。人のために道を作ることでもあるんだ……

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